介護福祉士国家試験の出題基準

(1)出題基準の基本的性格

出題基準は、試験委員が試験問題(課題)を作成するために用いる基準であることから、次のような基本的性格を有する。

ア 出題基準は、あくまでも標準的な出題範囲の例示であって、出題範囲を厳密に限定するものではなく、また、作問方法や表現等を拘束するものではない。

イ 介護とは、単に技術的な営みではなく、人間的・社会的な営みであり、総合的・多面的に理解されるべきものであることから、4領域(人間と社会、介護、こころとからだのしくみ、医療的ケア)を横断する総合問題を出題する。

ウ 出題基準公表後の法改正による制度の重大な変更等、出題基準にない事項であっても、介護福祉士として習得すべき事項については、出題することができる。

エ 関係学会等で学説として定まっていないものや、論議が分かれているものについては、その旨を配慮した出題を行なう。

(2)大・中・小項目の位置付けと関係

ア 大項目は、中項目を束ねる見出しであり、試験科目全体の範囲を示すものである。

イ 中項目は、試験の出題内容となる事項であり、試験問題はこの範囲から出題されることとなる。なお、中項目は、出題基準として、試験問題の出題範囲という観点から配列されているため、学問的な分類体系とは必ずし
も一致しない。

ウ 小項目は、中項目に関する事項をわかり易くするために例示した事項である。

エ 出題は、この出題基準に盛り込まれた事項に限定されるものではなく、法律、政省令等に規定されている事項、厚生労働白書などの公刊物に記載されている事項などからも出題される。

オ 実技試験課題は、出題基準の中項目に掲げられた項目から一課題として出題される。