永住許可の要件を教えてください。
入管法では永住が許可される要件として、
「素行が善良であること」、
「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」の2点を掲げ、
その上で「法務大臣がその者の永住が日本国の利益に合すると認めたときに限り、これを許可することができる。」と規定しています。
まず、入管法に規定する上記2つの要件について説明します。なお、これらの要件は申請人が「日本人、永住許可を受けている者又は特別永住者の配偶者又は子である場合においては適合することを要しない。」と規定されています。
これは、日本に生活基盤を有することが明らかなこれらの外国人については、その要件を緩和し家族単位での在留の安定化を図ることが相当との考えによるものです。
「素行が善良であること」とは、
日本の法令に違反して、懲役、禁錮又は罰金に処せられたことがないこと、
又は少年法による保護処分中でないことのほか、
日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいることをいいます。
「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」とは、
日常生活において公共の負担となっておらず、かつ、その有する資産又は技能等からみて将来において安定した生活が見込まれることをいいます。
これは、申請人自身に備わっていなくとも、配偶者等とともに構成する世帯単位で見た場合に安定した生活が継続できると認められる場合は、この要件を満たしているものとされます。
「法務大臣がその者の永住が日本国の利益に合すると認めたときに限り、これを許可することができる。」とは、その者に永住を許可することが、日本の社会、経済にとって有益であると認められるものでなくてはなりません。
この判断は、国土の条件、人口の動向等日本社会の外国人受入れ能力、出入国管理を取りまく内外の諸情勢その他あらゆる事情を勘案して行われるもので、永住の許可を与える否かについては、法務大臣の広範な裁量が認められることになります。
具体的な例としては、
長期間にわたり日本社会の構成員として居住していると認められること、
納税義務等公的義務を履行していることを含め、法令を遵守していることが認められること、
公共の負担となっていないことが認められるなどが
挙げられます。