中長期在留者の方が、住居地の届出をしない場合でも、「正当な理由」があるときは、在留資格は取り消されないとの話を聞きましたが、本当でしょうか。

 

上陸許可若しくは在留資格の変更許可等により新たに中長期在留者となった者が、
当該許可を受けてから90日以内に法務大臣に対し住居地の届出をしない場合、
又は中長期在留者が、法務大臣に届け出た住居地から退去した日から90日以内に、法務大臣に対し新しい住居地の届出をしない場合でも、
住居地の届出を行わないことについて「正当な理由」があるときは、在留資格の取消しの対象とはなりません。

「正当な理由」の有無については、個別具体的に判断することとなりますが、例えば、次のようなケースについては、「正当な理由」があるものとして在留資格の取消しの対象とはならない場合があります。

(1)勤めていた会社の急な倒産やいわゆる派遣切り等により住居を失い、経済的困窮によって新たな住居地を定めていない場合

(2)配偶者からの暴力(いわゆるDV(ドメスティック・バイオレンス))を理由として避難又は保護を必要としている場合

(3)病気治療のため医療機関に入院している場合等、医療上のやむを得ない事情が認められ、本人に代わって届出を行うべき者がいない場合

(4)転居後急な出張等により再入国出国した場合等、再入国許可(みなし再入国許可を含む。)による出国中である場合

(5)頻繁な出張を繰り返して1回当たりの日本滞在期間が短いもの等、在留活動の性質上住居地の設定をしていない場合