技術・人文知識・国際業務ビザは在留期間の更新が必要

「技術・人文知識・国際業務」(以下、「技人国ビザ」)は、日本で専門的な知識や技術を活かして働くための就労系在留資格です。

技人国ビザには在留期間が定められているため、現在の在留期間を超えて日本で活動を続ける場合は、在留期間更新許可申請を行う必要があります。

現在認められている在留期間は、次のとおりです。

• 5年
• 3年
• 1年
• 3月

在留期間が満了する前に更新手続きを行わなければなりません。

更新申請では、単に現在の勤務先で働いているかだけではなく、これまでの日本での在留状況や、税金などの公的義務を適切に履行しているかについても確認されます。

2027年6月から、国民年金及び国民健康保険料の納付状況についても在留期間更新許可申請における審査対象となります。そのため、税金だけでなく、年金及び健康保険料についても日頃から適切に納付・管理することが重要です。

この記事では、技術・人文知識・国際業務ビザの更新について、

• 更新申請が必要となるケース
• 更新申請を行う時期
• 申請の流れ
• 必要書類
• 出入国在留管理局が確認する審査ポイント
• 更新時の注意点

について詳しく解説します。

技人国ビザの基本的な取得条件については、「技術・人文知識・国際業務ビザの取得条件とは?許可要件を詳しく解説」で詳しく説明しています。

また、必要書類全般については、「技術・人文知識・国際業務ビザの必要書類一覧|認定・変更・更新・取得手続きを解説」をご確認ください。

技術・人文知識・国際業務ビザの更新が必要なケース

技人国ビザの更新が必要になるのは、現在の在留期間が満了した後も、日本で同じ在留資格による活動を継続する場合です。

例えば、

• 同じ会社で引き続き勤務する場合
• 契約期間を更新して勤務を続ける場合
• 現在の仕事内容を継続する場合

などが該当します。

更新を行わずに在留期間を超えて日本に滞在すると、不法残留となる可能性があります。

そのため、在留カードに記載されている在留期間を確認し、余裕を持って申請することが重要です。

技術・人文知識・国際業務ビザの更新申請をする時期

在留期間更新許可申請は、原則として在留期間の満了する日の3か月前から申請できます。

例えば、在留期限が12月31日の場合は、10月1日以降に申請することが可能です。

更新申請では審査に一定期間を要するため、期限直前ではなく、余裕を持って準備することをおすすめします。

また、申請中に現在の在留期間が満了した場合でも、一定の場合には特例期間が適用されます。

ただし、更新許可が必ず認められるわけではないため、必要書類は早めに準備しておきましょう。

技術・人文知識・国際業務ビザ更新の流れ

技術・人文知識・国際業務ビザ(以下、「技人国ビザ」)の更新手続きは、一般的に以下の流れで進みます。

1. 現在の在留状況を確認する

まず、更新申請を行う前に、現在の在留状況を確認します。

確認する主な内容は以下のとおりです。

  • 在留期間の満了日
  • 現在の勤務先
  • 担当している仕事内容
  • 給与や雇用条件
  • 税金の納付状況
  • 年金・健康保険の加入状況(2027年6月から)

更新審査では、現在の勤務状況だけではなく、これまで日本で適正に活動してきたかどうかも確認されます。

また、2027年6月から、国民年金及び国民健康保険料の納付状況についても在留期間更新許可申請における審査対象となります。

そのため、税金だけでなく、年金及び健康保険料についても日頃から適切に納付・管理することが重要です。

2. 必要書類を準備する

更新申請では、申請人本人に関する書類だけではなく、勤務先(所属機関)に関する書類も必要となります。

必要となる書類は、以下のような事情によって異なります。

  • 所属機関のカテゴリー(カテゴリー1~4)
  • 転職の有無
  • 仕事内容の変更の有無
  • 申請内容

そのため、申請前には自身の状況に応じた必要書類を確認することが重要です。

技術・人文知識・国際業務ビザの必要書類については、以下の記事で詳しく解説しています。

「技術・人文知識・国際業務ビザの必要書類一覧|認定・変更・更新・取得手続きを解説」

所属機関カテゴリー3・4に該当する場合の追加提出資料

所属機関がカテゴリー3又はカテゴリー4に該当する場合、申請内容に応じて追加資料の提出が必要となります。

追加提出資料は以下のとおりです。

  • 所属機関の代表者に関する申告書
  • 業務上使用する言語について、CEFR・B2相当の言語能力を有することを証する資料

なお、CEFR・B2相当の言語能力を証する資料については、すべての申請で必要となるものではありません。

対象となるのは、翻訳・通訳やホテルフロント業務など、日本語等の言語能力を主に用いて対人業務等に従事する場合です。

CEFR・B2相当の日本語能力とみなされる主な例

以下に該当する場合は、CEFR・B2相当の日本語能力を有するものとして扱われます。

  • 日本語能力試験(JLPT)N2以上を取得していること
  • BJTビジネス日本語能力テストにおいて400点以上を取得していること
  • 中長期在留者として20年以上日本に在留していること
  • 日本の大学を卒業していること
  • 日本の高等専門学校、専修学校の専門課程又は専攻科を修了していること
  • 日本の義務教育を修了し、高等学校を卒業していること

3. 出入国在留管理局へ申請する

必要書類を準備した後、住所地を管轄する地方出入国在留管理局へ在留期間更新許可申請を行います。

申請は、原則として申請人本人が行います。

ただし、一定の場合には、代理人又は取次者による申請手続きも可能です。

申請提出者については、以下のとおりです。

  • 申請人本人(日本での滞在を希望している外国人本人)
  • 代理人(申請人本人の法定代理人)
  • 取次者(地方出入国在留管理局長に届け出た行政書士など)

なお、取次者として申請できる者には、一定の要件があります。

例えば、地方出入国在留管理局長から申請等取次者として承認を受けた者には、以下のような者が含まれます。

  • 申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員
  • 申請人が研修又は教育を受けている機関の職員
  • 外国人の受入れを行う機関等の職員
  • 地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士又は行政書士

申請提出者の詳細については、「在留申請の申請提出者とは?本人・代理人・取次者の違いを解説」の記事で詳しく解説しています。

4. 審査後、新しい在留カードを受け取る

申請後、出入国在留管理局による審査が行われます。

審査では、提出した書類だけではなく、以下のような内容も総合的に確認されます。

  • 現在の仕事内容
  • 勤務先の状況
  • 給与や雇用条件
  • 税金の納付状況
  • 年金・健康保険の状況
  • 届出義務の履行状況

審査の結果、更新が許可されると、新しい在留カードが交付されます。

新しい在留カードを受け取った後は、記載されている在留期間を確認し、次回の更新時期を管理しておくことが重要です。

技術・人文知識・国際業務ビザ更新の必要書類

技人国ビザの更新で提出する書類は、申請人の状況や所属機関によって異なります。

そのため、すべての申請人が同じ書類を提出するわけではありません。

主な必要書類として、以下のものがあります。

申請人本人に関する資料

主な資料は以下のとおりです。

  • 在留期間更新許可申請書
  • 写真
  • パスポート
  • 在留カード
  • 住民税の課税証明書
  • 住民税の納税証明書

また、申請内容や個別の状況に応じて、以下のような資料の提出を求められる場合があります。

  • 在職状況を確認する資料
  • 雇用条件を確認する資料
  • その他、在留状況を確認するための資料

税金の納付状況については、更新審査における重要な確認項目の一つです。

また、2027年6月からは、国民年金及び国民健康保険料の納付状況についても在留期間更新許可申請における審査対象となります。

所属機関に関する資料

勤務先(所属機関)に関する提出書類は、所属機関のカテゴリー(カテゴリー1~4)によって異なります。

カテゴリー1・2に該当する所属機関では、提出書類が簡略化される一方、カテゴリー3・4に該当する所属機関では、所属機関の状況を確認するための資料が必要となります。

主な提出資料として、以下のようなものがあります。

  • 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(写し)
  • 登記事項証明書
  • 決算書(損益計算書・貸借対照表など)
  • 会社案内など所属機関の概要を明らかにする資料
  • 雇用契約書または労働条件通知書など雇用条件を確認する資料

ただし、必要となる資料は所属機関のカテゴリーや申請内容によって異なります。

また、カテゴリー3・4に該当する所属機関については、2026年4月15日以降の申請から、所属機関の代表者に関する申告書などの追加資料が必要となっています。

さらに、申請する仕事内容が翻訳・通訳やホテルフロント業務など、日本語等の言語能力を主に用いる対人業務の場合には、CEFR・B2相当の言語能力を証する資料の提出が必要となります。

所属機関カテゴリーについては、「技術・人文知識・国際業務ビザの必要書類一覧|認定・変更・更新・取得手続きを解説」で詳しく解説しています。

転職している場合の更新申請

技人国ビザの更新時に、以前の勤務先から転職している場合は注意が必要です。

転職後の勤務先や仕事内容についても、更新審査の対象となります。

確認される主なポイントは以下のとおりです。

  • 新しい会社の事業内容
  • 雇用条件
  • 実際に行う仕事内容
  • 学歴・職歴との関連性

技人国ビザでは、転職後の仕事内容が在留資格で認められる活動内容に該当している必要があります。

例えば、前職が海外営業で、転職後も海外取引に関する業務を担当する場合は、専門的業務としての関連性を説明しやすいケースです。

一方で、前職がシステムエンジニアで、転職後に店舗販売業務を行う場合などは、技人国ビザの対象となる活動に該当しない可能性があります。

転職した場合については、「技術・人文知識・国際業務ビザで転職する場合の注意点|届出・更新を解説」で詳しく解説しています。

技術・人文知識・国際業務ビザ更新の審査ポイント

技術・人文知識・国際業務ビザの更新では、単に現在も会社に在籍しているかだけではなく、日本で適正に活動してきたか、今後も引き続き在留を認めることが適切かという観点から審査されます。

新規取得時とは異なり、更新申請ではこれまでの在留状況が重要になります。

主な審査ポイントは以下のとおりです。

  • 許可された活動を継続しているか
  • 雇用状況に問題がないか
  • 給与や労働条件が適切か
  • 税金を適切に納付しているか
  • 年金・健康保険の加入・納付状況に問題がないか
  • 届出義務を適切に行っているか

審査ポイント① 実際の仕事内容が技人国ビザの活動内容に該当するか

技術・人文知識・国際業務ビザでは、許可された活動内容と実際に行っている仕事が一致していることが重要です。

例えば、許可時には、

  • システムエンジニア
  • 貿易業務
  • 海外営業
  • 翻訳・通訳
  • マーケティング

などの専門的業務として申請していたにもかかわらず、実際には単純作業が中心となっている場合、更新審査で問題となる可能性があります。

出入国在留管理局は、提出された書類だけではなく、雇用契約書、仕事内容、勤務状況などを総合的に確認します。

仕事内容については、「技術・人文知識・国際業務ビザの対象職種とは?仕事内容と許可される業務を解説」で詳しく解説しています。

審査ポイント② 雇用状況・給与が適切か

更新申請では、現在の雇用状況についても確認されます。

主な確認項目は以下のとおりです。

  • 雇用契約が継続しているか
  • 安定した収入があるか
  • 日本人と同等以上の報酬を受けているか
  • 雇用条件に問題がないか

技術・人文知識・国際業務ビザでは、外国人であることを理由として不当に低い給与で雇用することは認められていません。

また、勤務先の経営状況によっては、雇用の継続性について確認される場合があります。

審査ポイント③ 税金の納付状況

技人国ビザの更新では、税金の納付状況も重要な確認事項です。

主に確認されるものとして、以下があります。

  • 住民税
  • 所得税

住民税については、以下の資料によって納付状況が確認されます。

  • 課税証明書
  • 納税証明書

住民税の未納や長期間の納付遅延がある場合、在留状況が良好ではないと判断される可能性があります。

一時的な事情があった場合でも、未納状態を放置せず、適切に対応することが重要です。

審査ポイント④ 年金・健康保険の加入・納付状況

更新申請では、年金や健康保険の加入・納付状況についても確認されます。

確認される内容として、以下があります。

  • 厚生年金への加入状況
  • 国民年金の納付状況
  • 健康保険への加入状況
  • 保険料の納付状況

会社員の場合、通常は勤務先を通じて厚生年金や健康保険へ加入します。

一方で、退職期間中などに国民年金や国民健康保険への切替が必要だったにもかかわらず、未加入・未納期間がある場合は注意が必要です。

また、2027年6月から、国民年金及び国民健康保険料の納付状況についても在留期間更新許可申請における審査対象となります。

そのため、税金だけでなく、年金及び健康保険料についても日頃から適切に納付・管理することが重要です。

審査ポイント⑤ 届出義務を適切に行っているか

技人国ビザで日本に在留する外国人は、一定の変更があった場合、出入国在留管理局への届出が必要です。

例えば、以下のような場合です。

  • 勤務先を退職した場合
  • 転職した場合
  • 所属機関が変更になった場合

転職したにもかかわらず必要な届出を行っていない場合、更新審査で確認される可能性があります。

転職時の手続きについては、「技術・人文知識・国際業務ビザで転職する場合の注意点|届出・更新を解説」で詳しく解説しています。

技術・人文知識・国際業務ビザ更新に関するよくある質問

Q1. 技人国ビザの更新はいつから申請できますか?

在留期間更新許可申請は、原則として現在の在留期間満了日の3か月前から申請できます。

余裕を持って必要書類を準備し、早めに申請することが重要です。

Q2. 転職した場合でも技人国ビザを更新できますか?

転職後の仕事内容が技術・人文知識・国際業務ビザの対象となる活動であり、必要な手続きを行っていれば更新申請は可能です。

ただし、転職後の仕事内容や勤務先について確認されるため、転職内容によっては注意が必要です。

Q3. 年金や健康保険の未納がある場合、更新に影響しますか?

年金や健康保険料の未納がある場合、在留状況の確認において問題となる可能性があります。

特に、2027年6月からは、国民年金及び国民健康保険料の納付状況についても在留期間更新許可申請における審査対象となります。

未納や未加入期間がある場合は、早めに状況を確認し、必要な対応を行うことが重要です。

まとめ|技人国ビザの更新では日頃の在留状況が重要

技術・人文知識・国際業務ビザの更新では、現在の仕事内容や勤務先だけではなく、日本で適正に生活・就労してきたかどうかも確認されます。

更新申請では、以下のような点が重要になります。

  • 許可された仕事内容を継続しているか確認される
  • 雇用条件や給与状況が審査対象となる
  • 税金の納付状況が確認される
  • 年金・健康保険の加入・納付状況も重要になる
  • 転職した場合は新しい勤務先や仕事内容が確認される
  • 必要な届出を適切に行うことが重要
  • 2027年6月から、国民年金及び国民健康保険料の納付状況についても在留期間更新許可申請における審査対象となる

技術・人文知識・国際業務ビザは、取得後も適切な在留管理を継続することが重要です。

日頃から仕事内容、勤務先、税金、年金、健康保険などを適切に管理し、変更があった場合には必要な手続きを行うことで、更新申請をスムーズに進めることにつながります。

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