技術・人文知識・国際業務ビザを持つ外国人が転職すること自体は可能です。しかし、転職先でも現在の在留資格に該当する専門業務に従事する必要があります。

「ビザが有効だから、どの会社・どの仕事へ転職してもよい」というわけではありません。仕事内容が大きく変わる場合や、単純作業が中心となる場合は、次回更新で問題となることがあります。

この記事では、技術・人文知識・国際業務ビザで転職する際の手続き、届出、必要書類を解説します。

転職前に確認したい3つのポイント

確認項目 確認する内容 注意点
仕事内容 転職先で専門的な業務を担当するか 職種名ではなく、実際の業務内容で判断されます
学歴・職歴との関連性 専攻・経験と新しい業務に関連性があるか 関連性が弱い場合は説明資料を準備します
雇用条件 報酬・契約期間・勤務条件が適正か 日本人と同等以上の報酬が必要です

転職先の仕事内容が、現在の在留資格の範囲に収まるかを最初に確認しましょう。

例えば、システム開発、機械設計、経理、人事、法人営業、海外営業、通訳・翻訳、マーケティングなどは、内容により技術・人文知識・国際業務に該当し得ます。

一方で、レジ対応、品出し、清掃、荷物運搬、工場での単純作業などが主な仕事となる場合は注意が必要です。仕事内容の判断基準は、「技術・人文知識・国際業務ビザで認められない仕事とは?活動内容の判断基準を解説」も確認してください。

転職後は所属機関に関する届出が必要

技術・人文知識・国際業務ビザを持つ人が退職した場合、または新しい会社へ入社した場合は、原則として14日以内に出入国在留管理庁へ所属機関に関する届出を行います。

届出が必要となる主な場面は、次のとおりです。

  • 会社を退職したとき
  • 新しい会社へ入社したとき
  • 会社の名称や所在地が変わったとき
  • 雇用契約が終了したとき

届出をしても、転職先の仕事内容が在留資格に適合していることまで確認されるわけではありません。届出と、更新時の許可要件は別の問題です。

詳しい届出の考え方は、「所属機関に関する届出とは?転職・退職時に外国人が行う手続きを解説」を確認してください。

在留資格変更許可申請が必要になる場合

転職後も、技術・人文知識・国際業務に該当する仕事を担当する場合は、原則として直ちに在留資格変更許可申請をする必要はありません。

ただし、転職先で行う活動が現在の在留資格の範囲を超える場合は、変更申請が必要です。

例えば、会社の役員として経営判断や事業管理を主に行う場合は、「経営・管理」への変更を検討する必要があります。また、介護業務を主に行う場合や、特定技能の対象となる現場作業を主に行う場合も、現在の在留資格のままでよいとは限りません。

判断に迷う場合は、更新時まで待たず、就労資格証明書の利用を検討しましょう。

就労資格証明書を取得するメリット

就労資格証明書は、転職先で予定している仕事内容が、現在の在留資格で行える活動に該当するかを確認するための証明書です。

取得が必須ではない場合でも、転職後の仕事内容に不安がある場合や、次回更新をスムーズに進めたい場合に役立ちます。

特に、次のような場合は検討価値があります。

  • 転職後の仕事内容が前職と大きく異なる
  • 専攻と新しい仕事内容の関連性に不安がある
  • 新設会社や小規模企業へ転職する
  • 派遣形態で働く
  • 更新までの在留期間が長い

詳しくは、「就労資格証明書とは?転職時に取得するメリットと申請方法を解説」をご覧ください。

更新申請で必要となりやすい書類

転職後に在留期間更新許可申請を行う場合、前の会社で許可を受けたときの資料だけでは足りません。新しい勤務先での仕事内容や雇用条件を説明する資料が必要です。

主な書類は、次のとおりです。

  • 在留期間更新許可申請書
  • パスポート・在留カード
  • 雇用契約書または労働条件通知書
  • 職務内容説明書
  • 会社案内、ホームページ、組織図
  • 登記事項証明書
  • 直近年度の決算文書
  • 申請者の卒業証明書、成績証明書、在職証明書等
  • 会社のカテゴリーに応じた資料

必要資料は会社のカテゴリーや申請内容で異なります。「技術・人文知識・国際業務ビザの必要書類一覧|認定・変更・更新・取得手続きを解説」で確認してください。

転職後の更新で不許可になりやすい例

転職したこと自体が不許可理由になるわけではありません。しかし、次のような場合は注意が必要です。

  • 新しい仕事が専門業務ではなく、単純作業中心である
  • 学歴・職歴と仕事内容の関連性を説明できない
  • 雇用契約書と職務内容説明書の内容が一致しない
  • 日本人と比べて報酬が低い
  • 勤務先の事業実態や雇用継続性を説明できない
  • 退職・入社に関する届出を行っていない

転職後の更新については、「転職後の技術・人文知識・国際業務ビザ更新とは?審査ポイントを解説」も参考になります。

よくある質問

  1. 転職したら、すぐに在留資格変更許可申請が必要ですか?
    A.
    転職先でも技術・人文知識・国際業務に該当する活動を行う場合、直ちに変更申請が必要とは限りません。ただし、仕事内容が変わる場合は、就労資格証明書の取得を検討しましょう。
  2. 退職後、次の会社が決まるまで在留できますか?
    A.
    在留期間の範囲内であっても、正当な理由なく一定期間、在留資格に基づく活動を行わない場合は注意が必要です。早めに次の就職先を探し、必要な届出を行いましょう。
  3. 転職先が小さい会社でも許可されますか?
    A.
    会社規模だけで判断されるわけではありません。事業実態、継続性、報酬を支払う能力、外国人を採用する必要性、仕事内容を資料で説明できることが重要です。

まとめ

技術・人文知識・国際業務ビザで転職する場合は、転職先でも専門業務に従事すること、学歴・職歴と仕事内容の関連性を説明できること、所属機関に関する届出を期限内に行うことが重要です。

仕事内容に不安がある場合は、就労資格証明書の取得を検討し、次回更新に備えて雇用契約書や会社資料を整理しておきましょう。