日本の大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専修学校等を卒業し、日本語能力試験N1又はBJT 480点以上の要件を満たす外国人が、日本語を活用した業務に従事するための「特定活動」ビザを徹底解説。さらに、その配偶者・子などの家族向けの手続きも紹介。
目次
9. 特定活動「日本の大学等卒業者及びその配偶者等」のまとめ
1. 特定活動「日本の大学等卒業者及びその配偶者等」の概要
特定活動「日本の大学等卒業者及びその配偶者等」は、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」といいます)の別表第一の四の「特定活動」の項に定められた在留資格の一つです。
本在留資格は、日本の大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専修学校等を卒業し、高い日本語能力(N1又はBJT 480点以上)を有する外国人が、日本語を活用した業務に従事することを目的として認められます。また、その配偶者・子などの家族も対象となります。
2. 対象と活動
対象
本在留資格の対象となるのは、以下のいずれかに該当する方です。
・ 日本の大学卒業者又は大学院修了者
・ 日本の短期大学又は高等専門学校を卒業し、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構の審査に合格して学士の学位を授与された者
・ 外国人留学生キャリア形成促進プログラムとして認定を受けた専修学校専門課程又は専攻科の学科を修了し、高度専門士の称号を付与された者
※ 上記に該当する方の配偶者・子も、一定の要件を満たせば家族として在留することが可能です。
活動
本在留資格で認められる活動は、日本語を用いた業務に従事する活動です。
具体的には以下のような活動が含まれます。
・ 日本語を活用した営業・企画・事務業務
・ 日本語を用いた翻訳・通訳業務
・ 日本語を必要とする接客・サービス業務
・ その他、日本語能力を活かす業務
3. 資格要件
特定活動「日本の大学等卒業者及びその配偶者等」ビザを申請するには、以下の要件を満たす必要があります。
申請人(卒業者本人)に関する要件
・ 日本の大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専修学校等を卒業又は修了していること
・ 日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テスト480点以上の成績を有すること
・ 日本語を活用した業務に従事すること
・ 日本人と同等以上の報酬を受けること(更新時等重要)
受入れ機関に関する要件
・ 日本の企業等と雇用契約を締結していること
・ 事業内容が明確であること
家族に関する要件
・ 扶養者(卒業者本人)と同居すること
・ 扶養者の収入で生計を維持できること
4. 他の在留資格との違い
(1) 「技術・人文知識・国際業務」ビザとの違い
・ 特定活動(日本の大学等卒業者):日本語能力試験N1又はBJT 480点以上が必要。日本語を活用した業務が中心。
・ 技術・人文知識・国際業務ビザ:学歴又は実務経験が必要。日本語能力は必須ではない。
(2) 「留学」ビザとの違い
・ 特定活動(日本の大学等卒業者):就労が目的。卒業後の活動。
・ 留学ビザ:教育を受けることが目的。卒業前の活動。
(3) 「特定活動(就職活動)」との違い
・ 特定活動(日本の大学等卒業者):就職後(採用後)の就労が目的。
・ 特定活動(就職活動):就職活動を行うための期間。就労は不可(資格外活動許可が必要)。
5. 在留期間
本在留資格の在留期間は、通常 1年 です。その後も継続して就労する場合は、在留期間の更新申請が必要です。
6. 申請に必要な提出書類
詳細な提出書類は、[特定活動「日本の大学等卒業者及びその配偶者等」の申請書類(46号、47号)]をご覧ください。
※ 以下の書類は一例です。審査過程で追加書類を求められる場合があります。
卒業者本人の場合
・ 在留資格認定証明書交付申請書/変更許可申請書/更新許可申請書/取得許可申請書
・ 写真
・ 労働条件明示文書(雇用契約書等)
・ 雇用理由書(必要な場合)
・ 卒業証明書又は修了証明書
・ 日本語能力証明書(N1又はBJT 480点以上)
・ 事業内容を明らかにする資料(案内書、ホームページ写し、登記事項証明書等)
・ 所属機関の代表者に関する申告書(2026年4月15日以降)
家族の場合
・ 身分関係を証する文書(戸籍謄本、婚姻届受理証明書、出生証明書等)
・ 扶養者の在留カード又はパスポートの写し
・ 扶養者の在職証明書
・ 扶養者の住民税の課税証明書及び納税証明書
7. 申請の流れ
⑴ 日本の企業等から内定(雇用契約)を得る。
⑵ 日本語能力試験N1又はBJT 480点以上の証明書を取得する。
⑶ 「6. 申請に必要な提出書類」に記載されている書類を準備する。
⑷ 本人、申請取次行政書士、法律で定められた代理人などにより、地方出入国在留管理局に申請する(認定申請の場合。審査期間は通常1~3か月程度)。
⑸ 本人、申請取次行政書士、法律で定められた代理人などにより、地方出入国在留管理局に申請する(変更申請の場合。審査期間は通常2週間~1か月程度)。
⑹ 認定申請の場合は、在留資格認定証明書を受領後、母国の日本国在外公館で査証を申請する。
⑺ 変更申請の場合は、新しい在留カードが交付される。
⑻ 就労開始後も、在留期間の満了前に更新申請を行う。
8. よくある質問
(1) Q:日本語能力試験N2では申請できませんか?
A:できません。本制度ではN1又はBJT 480点以上が必要です。
(2) Q:専修学校専門課程を修了しましたが、対象となりますか?
A:外国人留学生キャリア形成促進プログラムとして認定を受けた学科を修了し、高度専門士の称号を付与された場合は対象となります。
(3) Q:家族を呼び寄せることは可能ですか?
A:可能です。配偶者・子は「家族」として在留することができます。
(4) Q:この在留資格でアルバイトはできますか?
A:認められた業務(日本語を活用した業務)に従事するための資格です。それ以外のアルバイトを行う場合は、資格外活動許可が必要です。
(5) Q:永住許可を申請できますか?
A:可能です。一般的な永住許可条件(素行善良、独立生計、納税義務履行など)に加え、長期間継続して就労している実績が求められます。
(6) Q:在留期間の更新は可能ですか?
A:可能です。引き続き日本語を活用した業務に従事し、日本人と同等以上の報酬を受けていることなどが審査されます。
9. 特定活動「日本の大学等卒業者及びその配偶者等」のまとめ
特定活動「日本の大学等卒業者及びその配偶者等」は、日本の高等教育機関を卒業し、高い日本語能力を有する外国人が日本語を活用した業務に従事するための在留資格です。本在留資格の主なポイントは以下のとおりです。
・ 日本の大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専修学校等の卒業が必要
・ 日本語能力試験N1又はBJT 480点以上が必要
・ 日本語を活用した業務に従事すること
・ 在留期間は通常1年
・ 配偶者・子の家族滞在も可能
本ページで解説した内容を踏まえ、早めの準備と専門家への相談が成功の鍵となります。
10. 当事務所によるサポート内容
当事務所では、特定活動「日本の大学等卒業者及びその配偶者等」に関する以下のサポートを提供しております。
・ 初回相談(無料):ご希望の活動が本資格の対象となるか、日本語能力要件の確認など、ビザ取得・変更の可能性についてアドバイスします。
・ 申請書類の作成:在留資格認定証明書交付申請書、在留資格変更許可申請書、在留期間更新許可申請書など、一連の申請書類を代理作成します。
・ 書類の翻訳・証明:日本語以外の書類の日本語翻訳、翻訳者証明を支援します。
・ 出入国在留管理局への申請取次:申請取次行政書士として、お客様に代わり書類を提出、審査進捗の確認、追加書類の対応及び入管との連絡調整を一貫して行います。
・ 不許可時の対応:万が一不許可となった場合の理由分析、再申請の可能性や改善点についてアドバイスします。
初回相談は無料です。本在留資格に関するご懸念やご質問は、お気軽に当事務所までご相談ください。