特定技能1号「漁業」分野の詳細解説。漁業・養殖業の業務内容、技能評価試験の概要、日本語能力要件(N4以上)、技能実習からの移行条件、就業先の種類や待遇などをわかりやすく紹介。

目次

1. 特定技能「漁業」分野の概要

2. 対象となる業務

3. 特定技能評価試験

4. 日本語能力要件

5. 技能実習からの移行(試験免除)

6. 実務経験要件

7. 就業先の種類

8. 報酬・労働条件

9. 特定技能2号について

10. よくある質問

1. 特定技能「漁業」分野の概要

特定技能「漁業」分野は、漁業(漁撈)と養殖業の両方が対象です。漁獲や養殖から出荷に至るまでの一連の業務が含まれます。

※ 在留資格「特定技能」の総合解説(対象分野全体の説明、1号・2号の違い、申請の流れなど)は、[在留資格「特定技能」について]をご覧ください。

※ 申請に必要な提出書類の詳細は、[在留資格「特定技能」の提出書類]をご覧ください。

2. 対象となる業務

本分野の対象業務は、漁業と養殖業に大別されます。

漁業

・ 漁具の製作と補修
・ 水産動植物の探索
・ 漁具及び漁業機械の操作
・ 水産動植物の採捕
・ 漁獲物の処理と保存
・ 安全衛生の確保 など

養殖業

・ 養殖資材の製作、補修及び管理
・ 養殖水産動植物の育成管理
・ 養殖水産動植物の収穫(採捕)及び処理
・ 安全衛生の確保 など

3. 特定技能評価試験

漁業分野の特定技能評価試験は、一般社団法人大日本水産会が実施しています。

試験の区分

・ 漁業:漁業分野の技能測定試験
・ 養殖業:漁業分野技能測定試験(養殖業)

試験の概要(漁業)

・ 試験方式:CBT(Computer Based Testing)
・ 受験資格:試験日において満17歳以上であること(インドネシア国籍の場合は満18歳以上)
・ 注意事項:

• 漁業経験3年以上(漁船への乗船経験3年以上)又は水産教育機関を卒業した方以外は、試験に合格しても日本での就業ができない可能性が高い点に留意が必要です。養殖業の試験は、漁業経験がない方でも受験可能です。

• 試験に合格したからといって、必ず「特定技能」の在留資格が取得できることを保証するものではありません。

出題内容

・ 学科試験:漁業一般、漁業安全、漁業専門(釣り関係)、漁業専門(網関係)
・ 実技試験:学科試験と同様の分野で構成
・ 問題数:学科試験30問、実技試験25問
・ 試験時間:学科試験50分、実技試験20分

4. 日本語能力要件

特定技能1号「漁業」分野を申請するには、日本語能力試験N4以上(又はこれと同等の国際交流基金日本語基礎テスト)に合格していることが必要です。

技能実習2号を良好に修了した方は、この要件が免除されます。

5. 技能実習からの移行(試験免除)

技能実習2号を良好に修了した方は、同一分野(漁業)の特定技能1号を申請する際に、以下の試験が両方免除されます。

・ 特定技能評価試験
・ 日本語能力試験

技能実習期間中に在留状況に問題がなかったこと(不法就労、資格外活動違反がないなど)も要件となります。

6. 実務経験要件

技能評価試験に合格するルートの場合、漁業分野では「漁業経験3年以上(漁船への乗船経験3年以上)」又は「水産教育機関の卒業」が必要となる可能性が高い点に注意が必要です。

養殖業の試験は、漁業経験がない方でも受験可能です。

7. 就業先の種類

・ 漁業協同組合
・ 漁業生産法人
・ 養殖業者
・ 水産加工会社
・ 漁船を所有・運航する企業

8. 報酬・労働条件

・ 日本人が従事する場合と同等額以上の報酬
・ 健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険の適用
・ 有給休暇の取得が可能
・ 漁業は天候や漁獲量により収入が変動する場合がある
・ 漁期や養殖の周期によって休暇時期が限定される場合がある

9. 特定技能2号について

漁業分野は、特定技能2号の対象です。2号に移行するためには、1号よりも高度な技能を証明する評価試験に合格し、かつ規定の実務経験(漁船での作業工程管理者としての経験2年以上)を有していることが必要です。

2号に移行すると、以下のメリットがあります。

・ 在留期間の上限がなくなる(実質的に無期限)
・ 配偶者及び子の帯同が可能(「家族滞在」ビザ)
・ 永住許可申請の要件を満たせば申請可能

10. よくある質問

(1) Q:漁業分野の特定技能評価試験は難しいですか?

A:試験は漁業に関する知識を問う内容です。漁業経験がない方には養殖業の受験をお勧めします。適切な学習を行えば合格は十分可能です。

(2) Q:技能実習2号を修了していない場合、どうやって特定技能1号を取得できますか?

A:漁業経験3年以上(漁船乗船経験)又は水産教育機関を卒業している必要があります。養殖業の場合は、技能評価試験に合格し、日本語能力試験N4以上に合格した上で、日本の事業者から内定を得ることで取得可能です。

(3) Q:養殖業と漁業では試験内容が異なりますか?

A:はい、異なります。養殖業の試験は漁業経験がなくても受験可能です。

(4) Q:家族を日本に呼べますか?

A:特定技能1号では、原則として家族の帯同は認められていません。特定技能2号に移行すれば、配偶者や子を「家族滞在」ビザで呼び寄せることが可能です。

(5) Q:転職は可能ですか?

A:同じ漁業分野内であれば転職は可能です(例:漁業から養殖業へ)。異なる分野(例:農業、建設など)に転職する場合は、その分野の特定技能評価試験に合格するなど、新たな要件を満たす必要があります。