特定技能1号「外食業」分野の詳細解説。飲食調理・顧客サービス・店舗管理などの業務内容、技能評価試験の概要、日本語能力要件(N4以上)、技能実習からの移行条件、就業先の種類や待遇などをわかりやすく紹介。

目次

1. 特定技能「外食業」分野の概要

2. 対象となる業務及び施設・店舗

3. 特定技能評価試験

4. 日本語能力要件

5. 技能実習からの移行(試験免除)

6. 実務経験要件

7. 受け入れ企業の条件及び就業先の種類

8. 報酬・労働条件

9. 特定技能2号について

10. よくある質問

1. 特定技能「外食業」分野の概要

特定技能「外食業」分野は、レストラン、食堂、カフェ、ファストフード店などの飲食店において、飲食調理、顧客サービス、店舗管理などの業務が対象です。日本の外食産業は深刻な人手不足に直面しており、即戦力となる技能人材の受け入れが期待されています。

農林水産省が初回受け入れ計画で示した5年間(2024年度~2028年度)の受け入れ見込み数は最大53,000人であり、特定技能制度の中でも受け入れ規模の大きい分野の一つです。

ただし、2026年4月13日以降、外食業分野の特定技能1号の新規受け入れは上限到達により原則停止されています。現時点で新規申請を検討されている方は、最新の出入国在留管理庁の情報をご確認ください。

地域連携協力確認書について、外食業分野を含むすべての特定技能分野では、特定技能所属機関(受け入れ企業)に地方公共団体との協力を確認する書類の提出が求められています。

※ 在留資格「特定技能」の総合解説(対象分野全体の説明、1号・2号の違い、申請の流れなど)は、[在留資格「特定技能」について]をご覧ください。

※ 申請に必要な提出書類の詳細は、[在留資格「特定技能」の提出書類]をご覧ください。

2. 対象となる業務及び施設・店舗

対象となる業務

外食業分野の対象業務は、以下の3つのカテゴリーに大別されます。

・ 飲食調理:食品の調理、加熱、盛り付け、食材の準備、キッチン全体の運営調整など
・ 顧客サービス:顧客案内、メニュー説明、注文受付、配膳、会計処理、クレーム対応など
・ 店舗管理:厨房・客席の清掃・衛生管理、在庫管理・発注、従業員シフト管理補助、開店・閉店作業、各種報告業務など

これら3つの主要業務に付随する活動(原材料の調達・運搬、設備の保守、清掃など)も認められています。また、店舗で調理した食事のデリバリーサービス(出前)も、主要業務と同時に行う場合は許可されます。

なお、純粋な調理のみを行う店舗やサービスを提供しない店舗(コンビニエンスストアなど)は対象外です。

対象となる施設・店舗

特定技能「外食業」分野で受け入れが可能な施設は以下のとおりです。

・ レストラン、食堂、食堂兼厨房、カフェ、ファストフード店など
・ 出前専門店(テイクアウト専門)
・ ケータリング業
・ 配達専門サービス
・ 病院・学校などの食堂・給食施設

随する形での指導業務も認められる場合があります。

3. 特定技能評価試験

外食業分野の特定技能評価試験は、一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF) が実施しています。

試験の概要

・ 試験名称:外食業分野特定技能1号技能測定試験
・ 実施方式:CBT(Computer Based Testing)
・ 試験言語:日本語
・ 試験時間:70分
・ 出題数:学科試験30問、実技試験15問
・ 合格基準:非公表
・ 受験資格:試験当日に17歳以上(インドネシア国籍は18歳以上)
・ 実施頻度:随時(詳細はPrometric公式サイトでご確認ください)

出題内容(3分野)

・ 衛生管理(学科10問、実技5問):一般的な衛生管理知識、HACCP知識、食中毒知識など
・ 飲食調理(学科10問、実技5問):調理知識、食材知識、調理器具知識など
・ 顧客サービス(学科10問、実技5問):接客知識、多様な食事への対応知識、クレーム処理知識など

実技試験は、イラストや図表を用いた状況判断テスト(判断試験)と所定の計算式を用いた計画立案テスト(計画試験)で構成されています。

なお、試験に合格しても特定技能在留資格の取得が保証されるものではありません。

4. 日本語能力要件

特定技能1号「外食業」分野を申請するには、日本語能力試験(JLPT)N4以上、又は国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic) に合格していることが必要です。

技能実習2号を良好に修了した方は、この要件が免除されます。

5. 技能実習からの移行(試験免除)

技能実習2号を良好に修了した方は、同一分野(外食業)の特定技能1号を申請する際に、以下の試験が両方免除されます。

・ 特定技能評価試験
・ 日本語能力試験

技能実習期間中に在留状況に問題がなかったこと(不法就労、資格外活動違反がないなど)も要件となります。

6. 実務経験要件

技能評価試験に合格するルートの場合、特別な実務経験は必須ではありませんが、日本語能力試験への合格が必要です。

母国での飲食業経験がある場合は、試験内容の理解や就職先の確保に役立つことがあります。

7. 受け入れ企業の条件及び就業先の種類

受け入れ企業の条件

特定技能「外食業」分野で外国人を受け入れる企業は、食品産業特定技能協議会に加入する必要があります。この加入手続きは、最初の特定技能外国人の在留資格申請前に完了する必要があります。

就業先の種類

・ レストラン(和食、洋食、中華など)
・ 食堂・定食店
・ カフェ・喫茶店
・ ファストフード店
・ チェーン居酒屋
・ ファミリーレストラン
・ テイクアウト専門店
・ デリバリー専門店
・ 病院・学校などの食堂・給食施設

8. 報酬・労働条件

・ 日本人が従事する場合と同等額以上の報酬
・ 健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険の適用
・ 有給休暇の取得が可能
・ シフト勤務が中心(早朝、深夜勤務を含む場合もあり)
・ 繁忙期には残業が発生する場合がある
・ チェーン店では寮や社宅が用意される場合がある

9. 特定技能2号について

外食業分野は、特定技能2号の対象です。2号に移行するためには、1号よりも高度な技能を証明する評価試験に合格し、かつ店舗管理の補助者としての実務経験2年以上を有していることが必要です。

また、日本語能力試験N3以上に合格していることが求められます。

特定技能1号と2号の主な違いは以下のとおりです。

・ 業務レベル:1号は即戦力人材(調理・接客・店舗管理補助)、2号は店長・現場責任者(従業員の指導・監督、販売促進、原価管理など)
・ 在留期間:1号は通算5年が上限、2号は更新回数の上限なし(実質的に無期限)
・ 家族帯同:1号は不可、2号は可能
・ 永住許可申請:1号は不可、2号は条件を満たせば申請可能

10. よくある質問

(1) Q:外食業分野の特定技能評価試験は難しいですか?

A:試験は衛生管理、飲食調理、顧客サービスの基礎知識を問う内容です。適切な学習を行えば合格は十分可能です。試験はCBT方式で実施され、マークシート形式です。

(2) Q:技能実習2号を修了していない場合、どうやって特定技能1号を取得できますか?

A:母国又は日本国内で特定技能評価試験に合格し、日本語能力試験N4以上(又はJFT-Basic)に合格した上で、日本の外食業企業から内定を得る必要があります。

(3) Q:調理師免許は必要ですか?

A:いいえ、調理師免許は必須ではありません。ただし、飲食調理業務に従事する場合は、日本の食品衛生法に基づく衛生知識が必要です。

(4) Q:家族を日本に呼べますか?

A:特定技能1号では、原則として家族の帯同は認められていません。特定技能2号に移行すれば、配偶者や子を「家族滞在」ビザで呼び寄せることが可能です。

(5) Q:転職は可能ですか?

A:同じ外食業分野内であれば転職は可能です。異なる分野(例:農業、製造業など)に転職する場合は、その分野の特定技能評価試験に合格するなど、新たな要件を満たす必要があります。

(6) Q:現在、外食業分野の新規受け入れは可能ですか?

A:2026年4月13日以降、外食業分野の特定技能1号の新規受け入れは上限到達により原則停止されています。最新の情報は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認ください。