特定技能1号「リネンサプライ(布製品供給)」分野の詳細解説。ホテル・病院向けリネンの洗濯・配送業務、制度の開始時期、受入れ見込み数、技能試験の概要、日本語能力要件(N4以上)、就業先の種類や待遇などをわかりやすく紹介。

目次

1. 特定技能「リネンサプライ」分野の概要

2. 対象となる業務

3. 特定技能評価試験

4. 日本語能力要件

5. 実務経験要件

6. 技能実習からの移行(試験免除

7. 受け入れ機関の条件

8. 就業先の種類

9. 報酬・労働条件

10. 特定技能2号について

11. よくある質問

1. 特定技能「リネンサプライ」分野の概要

特定技能「リネンサプライ」分野は、ホテルや旅館、病院などで使用されるシーツ、タオル、布団カバーなどのリネン製品を提供する業界が対象です。業務の中心は、「汚れたリネンを回収→洗浄・加工・管理→清潔なリネンを納品」 という一連のサービスを提供することです。

この分野は、「物流倉庫」「資源循環」とともに新たに追加された3分野の一つで、企業による採用が2027年から開始される予定です。2019年度に開始された特定技能制度は、2026年度にこの3分野を追加し、対象分野は16分野から19分野へと拡大されます。

※ 在留資格「特定技能」の総合解説(対象分野全体の説明、1号・2号の違い、申請の流れなど)は、[在留資格「特定技能」について]をご覧ください。

※ 申請に必要な提出書類の詳細は、[在留資格「特定技能」の提出書類]をご覧ください。

2. 対象となる業務

以下のような業務が該当します。

・ 汚れリネンの回収と仕分け
・ 産業用洗濯機・乾燥機の操作
・ 洗浄後のリネンの仕上げ(アイロン、折り畳み、検品など)
・ 清潔リネンの在庫管理
・ 納品先への配送業務
・ 品質管理(傷みや汚れのチェック、衛生状態の確認)
・ 業務記録の作成・管理
・ 作業場内の清掃・衛生管理

3. 特定技能評価試験

リネンサプライ分野で働くには、「リネンサプライ分野特定技能1号技能測定試験」 に合格する必要があります。

試験の詳細については試験実施機関の公式発表をご確認ください。以下は一般的な特定技能試験の概要です。

試験の概要(一般的な特定技能試験の形式を参考)

・ 試験方式:CBT(Computer Based Testing)方式
・ 試験時間:非公表(一般に学科試験+実技試験)
・ 出題言語:日本語
・ 実施頻度:年数回
・ 受験資格:特になし(年齢・学歴不問)

想定される出題内容

・ リネンサプライ業の基礎知識
・ 洗濯・仕上げに関する専門知識(洗剤の種類と使い分け、温度・時間設定など)
・ リネン製品の種類と特徴(綿、ポリエステル、混紡などの素材特性、シーツ・タオル・浴衣など製品ごとの取り扱い)
・ 衛生管理・感染症対策の知識(医療機関向けリネンの特別な取り扱い基準含む)
・ 在庫管理・物流の基礎
・ 安全衛生管理

4. 日本語能力要件

特定技能1号「リネンサプライ」分野を申請するには、日本語能力試験(JLPT)N4以上、又は国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic) に合格していることが必要です。

業務上、作業指示の理解や配送先とのコミュニケーション、安全管理のために日本語能力が求められます。技能実習2号を良好に修了した方は、この要件が免除されます。

5. 実務経験要件

技能評価試験に合格するルートの場合、特別な実務経験は必須ではありませんが、日本語能力試験への合格が必要です。

母国でリネンサプライや洗濯業、物流業などの経験がある場合は、試験内容の理解や就職先の確保に役立つことがあります。

6. 技能実習からの移行(試験免除)

技能実習2号を良好に修了した方は、同一分野(リネンサプライ)の特定技能1号を申請する際に、以下の試験が両方免除されます。

・ 特定技能評価試験
・ 日本語能力試験

技能実習期間中に在留状況に問題がなかったこと(不法就労、資格外活動違反がないなど)も要件となります。

なお、リネンサプライ分野は新設分野であるため、技能実習で従事していた業務がこの分野に該当するかどうかは、受け入れ機関や関係機関にご確認ください。

7. 受け入れ機関の条件

特定技能「リネンサプライ」分野で外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、以下の条件を満たす必要があります。

・ 労働関連法令を遵守していること
・ 日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を支払うこと
・ 外国人労働者の支援計画(居住、生活指導、日本語学習など)を作成し、適切に実施すること
・ 地方自治体が実施する「外国人との共生施策」への協力確認書を提出すること
・ リネンサプライ分野の特定技能分野別協議会に加入していること

8. 就業先の種類

・ リネンサプライ専門会社
・ ホテル・旅館グループのリネン部門
・ 病院グループのリネン部門
・ 大規模ランドリー工場
・ ユニフォーム・作業着レンタル会社

9. 報酬・労働条件

・ 日本人が従事する場合と同等額以上の報酬
・ 健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険の適用
・ 有給休暇の取得が可能
・ 工場勤務の場合は室内作業が中心(配送業務は屋外作業となる場合もある)
・ 配送業務がある場合、運転免許が必要となることがある
・ 繁忙期(観光シーズンなど)は多忙となる場合がある

10. 特定技能2号について

リネンサプライ分野は、2027年の制度開始時点では特定技能2号の対象外とされています。

特定技能2号が受け入れ可能な分野は建設や造船・舶用工業など一部の分野に限られており、リネンサプライ分野は対象外です。なお、特定技能2号の対象分野は随時拡大される可能性があります。今後の動向に注意してください。

特定技能1号の在留期間は通算5年です。リネンサプライ分野で特定技能1号として働く場合、在留期間が通算5年に達すると、そのまま更新することはできません。在留を継続する場合は、他の在留資格への変更を検討する必要があります。

11. よくある質問

(1) Q:リネンサプライ分野の特定技能評価試験は難しいですか?

A:試験はリネンサプライ業務の基礎知識と技能を問う内容です。適切な学習と実習を行えば合格は十分可能です。

(2) Q:この分野で働くには、どのような準備が必要ですか?

A:母国又は日本国内で特定技能評価試験に合格し、日本語能力試験N4以上に合格した上で、日本のリネンサプライ企業から内定を得る必要があります。

(3) Q:この分野の受入れはいつから始まりますか?

A:政府は2027年から企業による採用を開始する予定です。関連する省令や告示の改正は2025年内に行われます。

(4) Q:リネンサプライとは具体的にどのような仕事ですか?

A:ホテルや病院などで使用されるシーツ、タオル、布団カバーなどのリネン製品を提供する業界です。具体的には、汚れたリネンを回収し、洗浄・仕上げをして、再び清潔なリネンを届けるサービスを行います。

(5) Q:家族を日本に呼べますか?

A:特定技能1号では、原則として家族の帯同は認められていません。長期在留や永住を目指す場合は、他の在留資格への変更を検討する必要があります。

(6) Q:転職は可能ですか?

A:同じリネンサプライ分野内であれば転職は可能です。異なる分野に転職する場合は、その分野の特定技能評価試験に合格するなど、新たな要件を満たす必要があります。