ここでは、帰化申請の必要書類について詳しくご説明します。
用意する書類は、大きく分けて次の4種類があります。

目次

⑴ 作成する書類

まず、次の書類を作成します。

① 帰化許可申請書
② 帰化の動機書
③ 履歴書
④ 宣誓書
⑤ 親族の概要を記載した書面
⓺ 生計の概要を記載した書面
⑦ 事業の概要を記載した書面
⑧ 自宅勤務先等付近の略図

⑵ 官公署等から取り寄せる書類

次の書類を官公署等から取り寄せます。
種類が非常に多いですので、よく整理しておきましょう。

① 本国法によって行為能力を有することの証明書

帰化する為には、本国法によって行為能力を有していなければなりません。
この証明書は、本国の成人年齢、行為能力の制限を定めた法令、及び申請者の年齢を証明したものです。
これは、本国の官公署が発行したものであるのが原則です。


韓国: 「家族関係登録証明書」
台湾: 戸籍謄本

ただし、国によっては、この証明書を発行しないところもあります。そのような場合は、具体的事例ごとに、法務局に相談する必要があります。

② 在職及び給与証明書、最終学校の卒業証明書、中退証明書、在学証明書

・在職証明書・給与証明書(会社等どこかに勤務している場合)
ただし、源泉徴収票があれば、給与証明書は不要の場合もあります。
自営業の場合、この書類は必要ありません。

・卒業証明書(最後に卒業した学校)
・中退証明書(中退しているとき、ある期間在学していたことの証明書)
・在学証明書(在学中の場合)

③ 国籍を証する書面

国籍を証する書面として、次のうちのどれかを用意します。
なお、その場合、翻訳者を明示した翻訳文を添付します。

(a) 国籍証明書

本国の官公署、在日大使館、領事館等で発給しますが、発給してくれないところもあります。

(b) 戸籍謄本

次の書類を本国から取り寄せます。

韓国:家族関係登録証明書
台湾:戸籍謄本

この場合、「家族関係登録証明書」や「戸籍謄本」を本国から郵送して来た封筒も添付しなければなりません。
なお、戸籍謄本等を請求したのに本国から送ってこないようなときは、戸籍謄本等の交付請求書のコピー及び郵便局発行の郵便物受領書を提出します。

(c) 国籍の離脱、又は喪失証明書

(d) 出生証明書

アメリカ合衆国、イギリス、ブラジル等、生地主義国で生まれた場合、大使館、領事館、本国の病院等で発行します。
ただし、この証明書によるのは(a)の国籍証明書を入手できない時に限られます。

(e) 旅券

旅券(パスポート)は、(a)~(d)の証明書を取得できない者に限られます。

④ 身分関係を証する書面

身分関係を証する書面として、次の書類を用意します。

(a) 出生証明書、婚姻証明書、親族(親子)関係証明書

これは、権限を有する官憲が発給したものです。

韓国: 家族関係登録証明書
台湾: 戸(除)籍謄本
中国: 親子関係証明書、婚姻関係証明書、出生証明書
フィリピン: 婚姻証明書、出生証明書

(b) 裁判書、審判書、調停調書の謄本

これは、身分関係に裁判、審判又は、調停があったときに提出します。
裁判書とは、判決書、決定書、命令書のことで、判決の場合は確定証明書も必要となります。

(c) 日本の戸(除)籍謄本

申請者の親、配偶者、内縁関係にある者、婚約者、兄弟姉妹が日本人であるときは、
その人の日本の戸籍謄本を市役所、区役所等、市区町村役場から取り寄せます。

この場合、帰化して日本人になった人に関しては、帰化当時作成された戸籍の謄本が必要です。
又、申請者や親が、元日本人であったときは、その除籍謄本を用意します。

(d) 出生届、死亡届、婚姻届、離婚届、養子縁組届、認知届、親権者の変更届等の届出書の写し、記載事項証明書又は受理証明書

申請者が日本で出生、婚姻・離婚、養子縁組をしたり、又は、申請者の親、配偶者、子等が死亡したりして、日本の市区町村役場に届出をしているときは、市区町村役場でその受理証明書、又は、記載事項証明書等を発行してもらいます。

(e) 住民票

配偶者(内縁関係も含む)及び、子(法務局によっては同居の親族についても)が日本人であるときは、その住民票の写しを市区町村役場から取り寄せます。

⑤ 住民票・閉鎖外国人登録原票

現在の居住地等の内容については、「住民票」を居住地の市区町村役場より取り寄せます。
それ以前の内容については、「閉鎖外国人登録原票」を法務省より取り寄せることが必要です。

⓺ 納税証明書

納税証明書を、必要に応じて税務署、都道府県税事務所、市区町村役場から取り寄せます。

どのような納税証明書が必要かについては前表を見てください。

国税中の(その1)、(その2)というのは、「税額を記載した証明書」と「所得金額を記載した証明書」のことです。よくどちらかを取り忘れがないように注意してください。

又、申請者が会社等、法人の経営者である場合(父母兄弟等の親族が経営する会社の取締役に就任している場合も含む)は、以下の2つの書類が必要となります。

・経営者個人に関する所得税等の納税証明書
・法人に関する法人税等の納税証明書
・なお、個人事業者等確定申告をしているときは、「確定申告書の控え」を、修正申告があるときはその控えを提出します。

その他、それぞれ何年分の納税証明書を用意しなければならないか正確に理解しましょう。

⑦ 法定代理人の資格を証する書面

申請者が15歳未満のときは、その法定代理人が代わって申請します。
法定代理人とは、まず親権者(父母)であって、親権者がいないときは後見人です。

法定代理人であることを証明する書面
・戸籍謄本
・裁判書謄本
・本国における証明書等

⑧ 会社の登記事項証明書(登記簿謄本)

申請者、又は申請者の配偶者、又は同じ世帯の家族が会社の経営者である場合や、
親・兄弟等の経営している会社の取締役であるときは、
その会社の登記事項証明書(登記簿謄本)を法務局から取り寄せます。

⑨ 預貯金の現在高証明書、有価証券保有証明書、不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)

預貯金、有価証券、不動産を所有しているときには、
各金融機関、証券会社、法務局等からそれぞれ取り寄せます。

 ⑩ 運転記録証明書

自動車の運転免許証を有している場合は、運転記録証明書を取り寄せます。

「運転記録証明書」とは、運転に関する違反、事故、処分についての記録を記入した書面で、各都道府県にある自動車安全運転センターから発行されます。

⑪ 公的年金関係書類

次の書類を年金事務所から寄せます。

①ねんきん定期便、直近1年分の年金保険料の領収証書等の写し
(国民年金加入者で、申請者本人が自営業者等の場合)

②年金事務所が発行した直近1年分の保険料の領収証書等の写し
(申請者が厚生年金保険法第6条第1項又は第3項に規定する適用事業主の場合)

⑶ 手持ちの書類の写し

次の書類の写しを用意します。

① 貸借対照表、損益計算書の写し
法人場合、決算報告書のことです。

② 自動車運転免許証等の技能資格証明書の写し


自動車の運転免許証の裏表の写し
医師、教員、建築士、調理師、美容師、宅地建物取引士……等の免許証、登録証等の写し

③ 確定申告書控えの写し(法人・個人)
確定申告をしている場合は、申告書の控えの写しを提出します。

④ 卒業証明書又は卒業証書の写し
卒業証書の写しの場合、申請の際、原本を持参した方がよいです。

⑤ 事業に対する許認可証明書の写し
例えば、建設業、風俗営業、質屋・古物商、貸金業、宅地建物取引業、旅館業、病院等、官公庁の許認可等が必要な事業を行っている場合は、その証明書の写しを提出します。

⑷ その他の書類

法務局の担当官から特別に指示されたものがあればそれを用意します。|


・預金通帳
・運転免許証の現物
・家族全員が写ったスナップ写真
・不動産を所有している場合、その内部・外部の写真
・病気中であれば医師の診断書

又、外国語で記載された文書(例えば、本国から送付されてきた戸籍謄本、各種証明書等)については翻訳者を明示した翻訳文を添付しなければなりません。

必要書類のまとめ

1 作成する書類

① 帰化許可申請書
② 帰化の動機書
③ 履歴書
④ 宣誓書
⑤ 親族の概要を記載した書面
⓺ 生計の概要を記載した書面
⑦ 事業の概要を記載した書面
⑧ 自宅勤務先等付近の略図

2 官公署等から取り寄せる書類

① 本国法によって行為能力を有することの証明書
韓国: 「家族関係登録証明書」
台湾: 戸籍謄本

② 在職及び給与証明書、最終学校の卒業証明書、中退証明書、在学証明書
・在職証明書・給与証明書(会社等どこかに勤務している場合)
・卒業証明書(最後に卒業した学校)
・中退証明書(中退しているとき、ある期間在学していたことの証明書)
・在学証明書(在学中の場合)

③ 国籍を証する書面 (翻訳者を明示した翻訳文を添付)

(a) 国籍証明書

(b) 戸籍謄本
韓国:家族関係登録証明書
台湾:戸籍謄本
本国から郵送して来た封筒
戸籍謄本等の交付請求書のコピー及び郵便局発行の郵便物受領書

(c) 国籍の離脱、又は喪失証明書

(d) 出生証明書
(a)の国籍証明書を入手できない時に限る

(e) 旅券
(a)~(d)の証明書を取得できない者に限る

④ 身分関係を証する書面

(a) 出生証明書、婚姻証明書、親族(親子)関係証明書
韓国: 家族関係登録証明書
台湾: 戸(除)籍謄本
中国: 親子関係証明書、婚姻関係証明書、出生証明書
フィリピン: 婚姻証明書、出生証明書

(b) 裁判書、審判書、調停調書の謄本

(c) 日本の戸(除)籍謄本

(d) 出生届、死亡届、婚姻届、離婚届、養子縁組届、認知届、親権者の変更届等の届出書の写し、記載事項証明書又は受理証明書

(e) 住民票

⑤ 住民票・閉鎖外国人登録原票

⓺ 納税証明書
・経営者個人に関する所得税等の納税証明書
・法人に関する法人税等の納税証明書
・「確定申告書の控え」、修正申告があるときはその控え

⑦ 法定代理人の資格を証する書面
・戸籍謄本
・裁判書謄本
・本国における証明書等

⑧ 会社の登記事項証明書(登記簿謄本)

⑨ 預貯金の現在高証明書、有価証券保有証明書、不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)

⑩ 運転記録証明書

⑪ 公的年金関係書類
・ねんきん定期便、直近1年分の年金保険料の領収証書等の写し
(国民年金加入者で、申請者本人が自営業者等の場合)

・年金事務所が発行した直近1年分の保険料の領収証書等の写し
(申請者が厚生年金保険法第6条第1項又は第3項に規定する適用事業主の場合)

3 手持ちの書類の写し

① 貸借対照表、損益計算書の写し
② 自動車運転免許証等の技能資格証明書の写し
③ 確定申告書控えの写し(法人・個人)
④ 卒業証明書又は卒業証書の写し
⑤ 事業に対する許認可証明書の写し

4 その他の書類
法務局の担当官から特別に指示されたもの


・預金通帳
・運転免許証の現物
・家族全員が写ったスナップ写真
・不動産を所有している場合、その内部・外部の写真
・病気中であれば医師の診断書

行政書士に依頼するメリット

行政書士は、専門家として、煩雑な帰化申請手続を手伝うことができます。どんな書類が必要かを正確に理解し、取り忘れや間違いのないようにする為には、行政書士に依頼するのも一つの方法です。