二国間の経済連携協定(EPA)による、看護・介護人材受け入れは、一定の要件を満たす者が、日本の病院・施設等で、看護師候補者、又は介護福祉士候補者として就労又は就学しながら、
日本の看護師、又は介護福祉士の国家資格を取得する為の研修を受け、国家資格取得後は、引き続き日本で就労することを目指すものです。

目次

経済連携協定(EPA)の概要

二国間の経済連携協定(EPA)による、看護・介護人材受け入れは、一定の要件を満たす者が、一定の要件を満たす日本の病院・施設等で、看護師候補者、又は介護福祉士候補者として就労又は就学しながら、
日本の看護師、又は介護福祉士の国家資格を取得する為の研修を受け、国家資格取得後は、引き続き日本で就労することを目指すものです。

これは、看護・介護分野の労働力不足の対応の為ではなく、公的な枠組みで特例的に行うものです。

「日比EPA」では、介護福祉士養成施設に入学し、所定の養成過程を修了することによって、介護福祉士の国家資格を取得する「就学コース」が設けられています。

「日越EPA」では、介護福祉士養成施設で、必要な知識・技能を修得しながら、国家試験の合格による介護福祉士の資格を目指す「就学コース」が設けられています。

EPA関連の特定活動告示

特定活動の内容
16号 EPAインドネシア看護師候補者
17号 EPAインドネシア介護福祉士候補者
18号 EPAインドネシア看護師家族
19号 EPAインドネシア介護福祉士家族
20号 EPAフィリピン看護師候補者
21号 EPAフィリピン就労介護福祉士候補者
22号 EPAフィリピン就学介護福祉士候補者
23号 EPAフィリピン看護師家族
24号 EPAフィリピン介護福祉士家族
27号 EPAベトナム看護師候補者
28号 EPAベトナム就労介護福祉士候補者
29号 EPAベトナム就学介護福祉士候補者
30号 EPAベトナム看護師家族
31号 EPAベトナム介護福祉士家族

EPA関連の告示外特定活動

① EPA看護師

a インドネシア人看護師

要件

ⓐ インドネシア人看護師候補者として在留中、又は在留の後に看護師免許を受けたこと。

ⓑ 日本の公私の機関との契約に基づき、看護師としての業務に従事しようとすること。

b フィリピン人看護師

要件

ⓐ 次のⓒ又はⓓの要件を満たすフィリピン人であること

ⓒ フィリピン看護師候補者として、在留中に看護師免許を受けた者

ⓓ ⓒを除き、看護師の国家試験に合格することにより、看護師免許を受けた者

具体的な例

①フィリピン人看護師候補者としての在留期間内に、看護師国家試験に合格できず帰国したが、
その後「短期滞在」等の在留資格で入国し、国家試験を受けて合格した者。

②フィリピン看護師候補者としての入国・在留歴はないが、
「留学」等の在留資格で入国し、看護師国家試験を受験して、看護師免許を取得した者。

ⓑ 日本の公私の機関との契約に基づき、看護師としての業務に従事しようとすること

c ベトナム人看護師

要件

ⓐ ベトナム人看護師候補者として在留中、又は在留の後に看護師免許を受けたこと。

ⓑ 日本の公私の機関との契約に基づき、看護師としての業務に従事しようとすること。

②EPA介護福祉士

a インドネシア人介護福祉士

要件

ⓐ インドネシア人介護福祉士候補者として、在留中又は在留の後に、介護福祉士国家試験に合格し、介護福祉士資格を取得したこと。

ⓑ 日本の公私の機関との契約に基づき、介護福祉士としての業務に従事しようとすること。

b フィリピン人介護福祉士

要件

ⓐ フィリピン人就労介護福祉士候補者・就学介護福祉士候補者としての滞在中に、介護福祉士資格を取得したこと、
又はフィリピン人就労介護福祉士候補者としての滞在の後に、介護福祉士国家試験に合格し、介護福祉士資格を取得したこと。

ⓑ 日本の公私の機関との契約に基づき、介護福祉士としての業務に従事しようとすること。

c  ベトナム人介護福祉士

要件

ⓐベトナム人就労介護福祉士候補者・就学介護福祉士候補者としての、在留中又は在留の後に、
介護福祉士国家試験にに合格し、介護福祉士資格を取得したこと。

ⓑ 日本の公私の機関との契約に基づき、介護福祉士としての業務に従事しようとすること。

入国手続

社団法人国際厚生事業団(JICWELS)の調整により、日本の受入機関及び受入施設が決定した者は、相手国政府により指名され、口上書をもって日本国政府に対して通報されます。

この通報の後、相手国の送出調整機関は、在外日本公館で、指名された者について査証申請を行い、外務省が法務省及び厚生労働省に対し、査証事前協議を行った上で、在留資格「特定活動」に係る査証が発給されます。

査証については、全件査証事前協議を経た上で、発給されることとなっており、在留資格認定証明書交付申請は行われません。

活動範囲

①EPA看護師、EPA看護師候補者、EPA介護福祉士候補者

EPA看護師、EPA看護師候補者、EPA介護福祉士候補者は、患者及び利用者の居宅における業務に従事出来ません。
その理由は、特定活動告示の規定で、「指定された施設」(内)と言う制限があるからです。

従事出来ない例

在宅看護サービス、訪問介護サービス等

②EPA介護福祉士

EPA介護福祉士は、一定の要件の下で、訪問介護サービスに従事出来ます。

在留資格変更許可申請

「特定活動」へ在留資格変更の対象になるもの

①EPA看護師候補者からEPA看護師への移行
EPA介護福祉士候補者からEPA介護福祉士への移行

②受入機関(施設)を変更する場合

③看護師国家試験に合格したが、看護師免許を取得していないEPA看護師候補者が、「短期滞在」で入国後に看護師免許を取得した場合。

※ ①③の場合、告示外特定活動として、新たな活動の指定を受けます。

④身分関係(結婚等)の成立

⑤出国準備を理由とする在留資格変更

上記以外の場合は、原則として在留資格の変更は許可されません。

EPA看護師候補者、又はEPA介護福祉士候補者の「特定活動」は、上陸許可をする場合のみ決定される在留資格である為、やむえお得ない事情により、受入機関等を変更する場合を除き、在留資格変更許可により決定されることはありません。

これらの活動は、告示外特定活動ですが、協定上は、上陸許可時に決定する場合も想定され、Sクリアランスにによる上陸特別許可又は上陸拒否の特例が適用されます。

資格外活動許可申請

① EPA看護師候補者、EPA介護福祉士候補者(就労コース)

国家資格取得に専念させる為、原則として許可されません。

② EPA介護福祉士候補者(就学コース)

学費等の必要経費を補う目的のアルバイトについては、以下の場合、個別許可の対象とれます。

介護福祉士の国家資格取得に資するものと認められる業務
(在宅サービスや訪問サービス等は除く)

従事時間は1週間28時間以内
(介護福祉士養成施設の長期休暇期間中は、1日8時間以内)

③ EPA看護師

原則として許可されませんが、臨時的に指定活動に含まれているもの以外の病院等で、看護師としての活動(利用者の居宅における看護サービスは除く)は、個別許可の対象とられます。

④ EPA介護福祉士

原則として許可されませんが、臨時的に指定活動に含まれているもの以外の介護施設等で、介護福祉士としての活動(利用者の居宅における看護サービスは除く)は、個別許可の対象とられます。

 EPA看護師家族滞在活動、EPA介護福祉士家族滞在活動

扶養者となることが出来るのは、日本の国家資格を取得し、EPA看護師、又はEPA介護福祉士として活動する外国人のみです。

EPA看護師候補者、又はEPA看護師候補者は、扶養者となることが出来ません。

① 「家族滞在」と異なる点

「家族滞在」と異なり、扶養者たるEPA看護師、又はEPA介護福祉士と同居することが必要です。
「配偶者」には、内縁の者や外国で有効に成立した同性婚の者は含まれません。
「子」には、成年に達した子及び養子も含まれます。

② 資格外活動

家族滞在活動者からの資格外活動許可申請については、1週に28時間以内である場合は、審査の上で個別許可の対象となります。
特別な技術、技能又は知識を要しない活動であっても、許可の対象となりえます。
看護・介護に関連する活動に従事する場合は許可されません。

EPA看護師又はEPA介護福祉士の家族滞在の必要書類


EPA看護師又はEPA介護福祉士の家族滞在の必要書類

告示特定活動