ここでは、外国人が日本で運転する場合の国際運転免許証と、本国の免許証から日本の免許証への切り替えについてご説明します。
相談内容
私はまだ来日して間もないですが、日本でも自分の車を運転したいと思っています。日本に来る前に滞在していた国の運転免許証もありますが、その国で取得した国際運転免許証も持っています。当面はこの国際運転免許証を使用するつもりですが、いつまで使えるのでしょうか?
また、運転免許証を日本の運転免許証に切り替えることはできますか?仕事上からも免許証のない生活は考えられません。
目次
2.外国の免許証から日本の免許証へ切り替えることができる場合
3.上記2以外の国の運転免許証から日本の運転免許証を取得するには
・試験免除申請のための条件
日本で運転できる免許証についての概要(道路交通法107条の2)
外国人の国際運転免許証について
外国人が日本で車を運転する場合、国際運転免許証を持参していれば、当面は国際運転免許証を使用し、その後に国際運転免許証の元となった運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるか、あるいは日本で新たに免許を取得するかの方法が取られます。
国際運転免許証は、上陸した日から最大1年間を有効としますが、もし海外で2か月前に申請した国際運転免許証であれば、免許証の有効期限を優先し、当面の10か月は日本で使用可能です。無免許運転にならないためにも、ご自分の国際運転免許証の発行日を確認しましょう。
途絶えることなく継続的に運転を可能にする場合は、国際運転免許証の有効期限までに持参した免許証を日本の免許証に切り替えた方がよいでしょう。
注意点としては、外国から持参した運転免許証が全て切り替えられるわけでもありません。外国からの免許切替えは、23か国と1地域が許可されていますが、その他の国であれば、日本の運転免許試験場にその国の運転免許証を持参して、切り替えが可能か確認しましょう。
もしその運転免許証が認められない場合は、日本人と同じように教習所に通い、運転実技と交通規則を学び、運転免許証を取得するしか方法はありません。
翻訳文を添付して使用できる外国の運転免許証
また、スイス、ドイツ、フランス、イタリア、ベルギー及び台湾の5国1地域の免許証は、国際運転免許と同様に上陸後1年間は、自国の免許証に翻訳文(政令により定めたものによる)を添付して、日本で使用することができます。
注意すべきことは、その免許証の有効期限が1年より短い場合はその有効期限になり、1年以上の場合は1年間が有効となります。詳しくは各都道府県の運転免許センター等にお尋ねしましょう。
外国人が日本で運転できる場合
下記の運転免許証のいずれか一つが必要です。
①日本の運転免許証
②道路交通に関する条約(ジュネーブ条約)に基づく国際運転免許証
③自動車等の運転に関する外国の運転免許証
日本と同等の水準にあると認められる免許制度を有している国。現在、スイス連邦、ドイツ連邦共和国、フランス共和国、イタリア共和国、ベルギー王国、台湾の5国と1地域のみ
この場合、当該外国の大使館、領事館又は日本自動車連盟(JAF)が作成した日本語による翻訳文の添付がなされたものに限ります。
1.国際運転免許証とは
日本の場合は、道路交通に関し、ジュネーブ条約のみ締結しているため、ジュネーブ条約に基づいて交付された免許証がいわゆる国際免許証であって、正式表示は国際運転免許証としています。
国際運転免許証は、発行から1年間を有効とし、更新は認められません。また、日本で発行された国際運転免許証は日本で使用することができません。
1949年に作られた条約でもあり、現在の各国の道路状況にもそぐわない現実から、国によっては法律で運転期間が短縮されている場合があります。
日本でも、以前は有効期限前に再度国外に出国して申請し、持ち帰った国際運転免許証で運転を行う日本人や外国人が見受けられましたが、2002年の道路交通法改正により、住民登録をしている日本人及び外国人、すなわち日本に住所地のある日本人・外国人が他国に出国しても、連続3か月以上を経過して、日本へ帰国、若しくは再入国した場合でない限り、その取得した国際運転免許証の効力は認められないことになりました。
ちなみに、スイス、ドイツ、フランス、イタリア、ベルギー、及び台湾などの外国免許証を使用する場合も、有効期限が3年あったとしても、国際免許証と同じく、上陸した日から1年間、又は当該運転免許証の有効期間のいずれかの短い期間までとなっています。
2.外国の免許証から日本の免許証へ切り替えることができる場合
下記23か国と1地域の運転免許を所持している場合、知識確認・技能確認の試験が免除され、日本の免許証に切替えが可能です。
・知識確認、技能確認を免除する国等(23か国・1地域)
アイスランド、アイルランド、イギリス、イタリア、オーストリア、オーストラリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、チェコ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポルトガル、ルクセンブルグ、台湾
・提出資料(知識確認、技能確認を免除する場合)
①有効な運転免許証
日本語による翻訳文が必要ですが、翻訳文は日本のJAF、若しくはその国の大使館が作成したもの
注:
運転免許証の初回の取得日が記載されていないもの等は、別途証明が必要になるため、事前に運転免許試験場に問い合わせてください。
②国籍記載の住民票
住民基本台帳法の適用を受けない場合は、旅券あるいは外務省の発行する身分証明書、又は権限のある機関の発行する身分を証明する書類、及び住所地の証明として居住地に滞在していることを証明する書類(寄宿先の世帯主、ホテルの支配人の証明)
③免許取得した国に3か月以上滞在したことが確認できるもの
パスポート等古いパスポートがあれば全て
3.上記2以外の国の運転免許証から日本の運転免許証を取得するには
・試験免除申請のための条件
上記23か国1地域以外の外国の運転免許証を有する人で、日本の運転免許証を取得する場合、日本で運転することに支障がないか審査・確認を受けた上で、運転免許試験の一部(学科試験・技能試験)が免除されます。
・運転免許証切替えの要件
①外国の免許を取得して、取得後その国に3か月以上滞在していたこと
(パスポート等で証明ができること)
②申請時において、その国で有効な免許証であること
上記の申請に当たっては、事前に、申請先の都道府県運転免許試験場又は運転免許センターへ、提出書類・手数料・受付時間・講習場所等を確認してください。
・提出資料-上記2以外の国等の場合
①外国免許証の原本とコピー及び翻訳文
②パスポート(出国・入国年月日全て押印されている新旧パスポート、数冊所持している方は全て)・パスポートの顔写真部分や有効期間及びビザの押印ページのコピー
③在留カード及びコピー
④写真1枚(6か月以内に撮影したもの、3cm×2.4cm)
⑤日本語のできない方は通訳の同伴
4.免許証の翻訳について政令により定めたものとは
(道路交通法施行令39条の5)
①自動車等の運転に関する免許に係る運転免許証を発給する権限を有する外国等の行政庁等又は同条に規定する国の領事機関
②道路交通法(自動車等の運転に関する免許に係る部分に限る。)に相当する法令を所掌する外国等の行政庁等が、国家公安委員会に対し、自動車等の運転に関する外国等の行政庁等の免許に係る運転免許証の日本語による翻訳文を作成する能力を有するものとして通知した外国等の法人その他の者であって、国家公安委員会が相当と認めたもの
③自動車等の運転に関する外国等の行政庁等の免許に係る運転免許証の日本語による翻訳文を適切かつ確実に作成することができると認められる法人として国家公安委員会が指定したもの(JAF)
無免許運転の禁止について(道路交通法64条)
自動車及び原動機付自転車を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許を受けなければならない(道路交通法84条)。
いかなる人も公安委員会の運転免許(同法84条)を受けないで自動車及び原動機付自転車を運転してはならない。
日本で運転できる免許証についての概要(道路交通法107条の2)
(国際運転免許証又は外国運転免許証を所持する者の自動車の運転)
道路交通に関する条約24条1項の運転免許証の様式に合致した国際運転免許証、又は自動車等の運転に関する外国(国際運転免許証を発給していない国フランス、スイス、ドイツ、イタリア、ベルギー、台湾等)の行政庁の免許に係る外国運転免許証を所持する者は、日本に上陸した日から起算して1年間、当該国際運転免許証又は外国運転免許証で認めた自動車等を運転することができる。
ただし、住民基本台帳に記録されている者の出国の確認、又は在留カードを受けている者が、出入国管理及び難民認定法26条1項の規定による再入国の許可、若しくは難民旅行証明書(入管法61条の2の12第1項)の交付を受けて出国し、当該出国の日から3か月に満たない期間内に再び日本に上陸した場合は、上陸の起算日とはならない。
また、外国運転免許証とは、条約に加入していない等の理由により、国際免許証を発給していない国又は地域であるが、日本と同等の水準にある運転免許制度を有する国々(道路交通施行令39条の4・イタリア共和国、スイス連邦、ドイツ連邦共和国、フランス共和国、ベルギー王国、台湾)の免許証に、その国々の行政機関あるいは日本自動車連盟(JAF)作成の翻訳文を添付することで、日本で有効な免許証として機能する。
しかし、旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で、旅客自動車を運転し、若しくは牽引自動車によって旅客用車両を牽引して当該牽引自動車を運転する場合、又は代行運転普通自動車を運転する場合は、この限りではない。