ここでは、外国在住の日本国籍子供のパスポート申請についてご説明します。
相談内容
息子は日本国籍ですが、私の国で育てています。日本人の夫と離婚後、日本での生活が厳しく思い、連れ帰り、こちらの学校に通っています。現在13歳ですが、日本のパスポートが切れるため、この際に思い切って日本でパスポートの申請をし、息子にも日本を見せてみようと思っていますが、一時帰国での申請はできますか?
また、仕事が忙しく、休みが取れない場合は、友人にお願いして、息子だけで日本に帰国させることも考えていますが、パスポート申請に問題はありませんか?
必要な書類を教えてください。
目次
日本国籍子供のパスポート申請について
息子さんは日本国籍であることから、母の国で暮らす場合、日本の在留資格にあたる居留証若しくは滞在ビザを取得していて、その期限内でのパスポート申請であれば、現在暮らしている国や住所地の証明ができますが、もし期限が過ぎている状態であれば、息子の戸籍の附票が必要となります。
元夫の戸籍に息子は記載されていますから、元夫にも連絡を取らなくてはいけませんが、滞在許可に関しては問題ないようなので、パスポート申請の折には、居所申請申出書に記入してください。
日本での住所地がないため、宿泊施設の住所で行います。
本籍の住所地も必要ですので、息子の戸籍謄本があれば、確認資料として持参してください。
そして、息子は13歳で未成年ですから、母親は法定代理人として、旅券申請用紙の裏側の署名欄にサインをしなければなりませんが、休暇が取れない場合は、同意書の提出が求められます。
居所申請申出書、旅券申請同意書ともに、東京でも大阪でも場所は問いませんが、パスポート申請のホームページ、旅券ガイド欄で探し、日本語の読める人が周りにいたら、印刷して記入してください。
分からなければ、「法定代理人○○○として、息子の○○○のパスポートの申請及び発給につき同意します」と日付を入れて、同意書を作成してください。
分からないことがあれば、日本の在外公館等にお尋ねください。旅券申請受付窓口にメールで問い合わせることもできます。
一時帰国した場合のパスポート申請
パスポートは、原則住民登録をしている都道府県で申請を行いますが、海外に居住している場合は、日本の在外公館に申請するか、あるいは一時帰国した日本の居所(ホテルなど一時的な滞在場所)を管轄する都道府県に申請することができます。
居所申請には、一時帰国である証明に、査証や再入国許可のあるパスポートなどが求められ、査証の有効期限を超えている場合は、戸籍の附票が必要となります。
なお、代理申請は、日本に本人の住民登録がある場合のみ認められ(受領は本人のみ)、一時帰国の際の代理申請はできません。
パスポート申請時の提出書類
・一般旅券発給申請書1通
・パスポート用の写真1枚(縦4.5cm×横3.5cm)
・所持する有効なパスポート1点
・居所申請申出書1通
・法定代理人が同伴できない場合は、旅券申請同意書1通
・本人確認のできる書類(写真付きの学生証など)
未成年のパスポート申請について
未成年がパスポート申請をする場合、旅券申請書の裏側に、法定代理人の署名欄に父母のどちらかのサインが必要になります。離婚している場合は親権者がサインをします。
そして、その申請書にサインができない場合は、旅券申請同意書をホームページから取り出し、記入してください。
里親や未成年後見人の場合は、事情説明書(渡航同意書)を提出することになります。
未成年のパスポートは親権問題もあり、法定代理人のサインがなければ申請はできません。
また父母双方に親権がある場合において、一方の親権者から子の旅券申請に同意しない旨の意思表示(戸籍謄本の提示必要)が、旅券申請事務所若しくは在外公館になされている場合には、双方の合意確認が行われた後に発給されます。
妻の国で出産した子供のパスポート申請
外国人妻の国で出産をした場合の、子供のパスポート申請はよくあるケースです。
子供が日本国籍のみを取得した場合、子供は日本のパスポートを取得しなければ帰国できません。
出生届は、妻が出生証明書を日本サイドの夫に送り、市区町村に届け出れば完了しますが、パスポートの申請は、日本で法定代理人(父親)による代理申請が受理されても、受領の際に申請者である子供がいなければパスポートの受取りはできません。
そのため、国外で出産した場合は、日本の在外公館での申請手続になります。在外公館では、遠隔地在住者に対して、郵送による申請を受け付け、受領の際に子供の同伴を求めている場合があります。
詳しくは現地の在外公館にお問い合わせください。
また、パスポートの名前に関しても、日本人の氏名は原則として、ヘボン式のローマ字表記になりますが、外国人配偶者や父親が外国人であるなど、戸籍に外国名がカタカナで記載されている場合、非ヘボン式の表記も認められ、かつ、日本名のあとに括弧書きで、アルファベット表記による夫の姓を併記することもできるようです。
しかし、重国籍者の場合は、なるべく表記を同一にするあるいは併記するように、ヘボン式・アルファベット表記を、パスポート申請の折に窓口でよく調べ、間違いのないようにしてください。