ここでは、外国人が受給できる出産費用と各種手当についてご説明します。
目次
外国人が受給できる出産費用と各種手当について
妊娠・出産は病気ではないので、基本的には健康保険は適用されません。
例外として、帝王切開などの手術費などには、健康保険が適用されます。
1.出産育児一時金
健康保険や国民健康保険の加入者が出産したとき、出産費用として42万円が支給される制度です。
ただし、妊娠週数が22週に達していないなど、産科医療補償制度対象出産ではない場合は、40万4千円となります。
この支給制度には、次の2つの制度があります。
⑴直接支払制度
出産育児一時金の請求と受取りを、妊婦などに代わって医療機関などが行う制度です。出産育児一時金が医療機関などへ直接支給されるため、退院時に窓口で出産費用を全額支払う必要がなくなります。
⑵受取代理制度
妊婦などが加入する健康保険組合などに出産育児一時金の請求を行う際に、出産する医療機関などにその受取りを任せることにより、医療機関などへ直接出産育児一時金が支給される制度です。
2.出産手当金
健康保険の加入者本人が出産のため会社を休み、その間に給与の支払を受けられなかったときは、出産(予定)の日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日後56日までの範囲内で、会社を休んだ期間を対象として出産手当金が受給できます。出産手当金は、産前産後休業の期間中、健康保険から1日につき、原則として賃金の67%相当額が受給できます。
ただし、休業している間にも会社給与が支払われ、出産手当金よりも多い額が支給されている場合には、出産手当金は受給できません。出産日は出産の日以前の期間に含まれます。出産が予定日より遅れた場合は、その遅れた期間についても出産手当金が受給できます。
3.育児休業給付金
⑴育児休業中の給付
雇用保険の加入者が、1歳(一定の要件に該当した場合は1歳2か月。さらに一定の要件に該当した場合は1歳6か月又は2歳)に満たない子どもを養育するための育児休業を取得し、次の条件を満たす人は原則、ハローワークへの支給申請により育児休業給付金が受給できます。
(はじめの6か月は休業開始前賃金の67%相当額、その後は50%相当額です。)
・給付金を受ける条件
①育児休業を開始した日の前2年間に11日以上働いた月又は賃金支払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある月が12か月以上ある人
②育児休業中の賃金が休業開始時の賃金と比べて80%未満に低下など一定の要件を満たした場合
⑵期間雇用者(有期契約労働者)の場合
期間雇用者(期間を定めて雇用される人)は上記の条件に加えて、休業開始時に次のいずれの条件も満たす必要があります。
①同じ会社(同一事業主)に1年以上雇用されていること
②子どもが1歳6か月までの間(保育園に入所できなかったなどの理由により、1歳6か月後の休業開始時について2歳までの間)に、その雇用契約が満了することが明らかでないこと
4.児童手当
児童手当は、家庭などにおける生活の安定と子どもの健全育成を目的とした手当です。
子ども及び子どもを養育している人がいずれも日本国内に住んでいる場合に、この手当を受給できます。
⑴受給できる人
15歳の誕生日後の最初の3月31日までの子どもを養育している人
⑵受給方法
・まずは住んでいる市区町村へ受給申請をしてください。
・原則として、申請した月の翌月分から手当を受給できます。
・新たに子どもが生まれたり、他の市区町村へ引越したりした際は、再度申請が必要です。
⑶受給できる額
子どもの年齢 | 子どもの年齢児童手当の額(一人当たり月額) |
---|---|
3歳未満 | 一律1 万5,000 円 |
3歳以上 12 歳の誕生日後の 最初の3月31 日まで |
1万円 (第3子以降は1万5,000 円) |
12 歳の誕生日後の 最初の3月31 日を経過後 15 歳の誕生日後の 最初の3月31 日まで |
一律1万円 |
※子どもを養育している人の所得が一定以上の場合は、月額一律5,000円(2022年6月分からは、月額5,000円または0円)となります。
※「第3子以降」とは、18歳の誕生日後の最初の3月31日までの養育している子どものうち、3番目以降の子どものことをいいます。
⑷受給時期
原則として、毎年6月、10月、2月に、それぞれの前月分までの4か月分をまとめて受給します。