入管法の特徴


入管法は、「正規滞在者」、「非正規滞在者」に対するいずれの処分についても、法務大臣の裁量権を幅広く認めています。

目次


広範な行政裁量


入管法上の審査基準

 公開されている審査基準

 非公開であるが、黙示的な審査基準


申請が不許可になった場合

 非正規滞在者に対する「在留特別許可」が認められない場合

 正規滞在者の申請が不許可になった場合


企業が外国人を採用する場合

広範な行政裁量


入管法は、日本に正規に滞在する外国人が、在留資格に係る申請をしたとき、「相当の理由があるときに限り、許可することができる」と定めています。

また、非正規滞在の外国人が合法化される「在留特別許可」についても、「特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき」は、「特別に許可することができる」と定めています。

このように、入管法は、「正規滞在者」、「非正規滞在者」に対するいずれの処分についても、法務大臣の裁量権を幅広く認めています。

ただし、「上陸許可」、「在留資格認定証明書交付」、「仮滞在許可」については、要件を満たす場合、許可しなければならず、効果裁量はありません。

入管法上の審査基準


入管法分野には、外国人の在留について、様々な公開・非公開の審査基準があります。

公開されている審査基準


在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン

永住許可に関するガイドライン

在留特別許可に係るガイドライン

入国・在留審査要領

仮放免取扱要領

各種通達等

非公開であるが、黙示的な審査基準


上陸拒否事由該当者に対する在留資格認定証明書交付基準

告示外定住基準

告示外特定活動基準

申請が不許可になった場合


外国人の申請が不許可になった場合、再申請又は裁判所に行政訴訟提起の選択肢があります。

現実的に両者を比較した場合、再申請の方が行政訴訟提起よりハードルが低いです。
仮に行政訴訟で勝訴できないような事案であっても、行政手続内において有利な事情の収集や、不利な事情の払拭等に全力を尽くし、法務大臣等の裁量を申請人の利益となる方向で働かせることにより、許可を得られることも少なくありません。

非正規滞在者に対する「在留特別許可」が認められない場合


非正規で滞在する外国人の「在留特別許可」が認められず、「退去強制令書」か発付された場合は、以下のような選択肢があります。

① 一旦日本から出国して、一定期間経過後に上陸拒否の特例を前提とした「在留資格認定証明書」の交付申請

② 日本を出国せずに、退去強制令書発付処分取消等請求訴訟を提起

「在留特別許可」が認められず、退去強制令書が発付された場合には、いつでも強制送還が実行されうる状態となります。
従って、訴訟提起のメリットとデメリット及び勝訴の見込み等を慎重に検討する必要があります。
引き続き在留を希望する場合には、取消訴訟等の提起、執行停止申立てを早期に行うことを検討すべきです。

正規滞在者の申請が不許可になった場合


正規滞在する外国人が、留資格変更や在留期間更新の申請をしたが、不許可になった場合、対面で入国審査官から不許可理由をできるだけ詳細に聴取し、再申請が可能かを交渉すべきです。

申請に対する不許可処分には、確定判決のような即判力はありません。
在留資格が「出国準備のための特定活動」変更された後でも、入国審査官との協議・交渉により、当初希望していた在留資格を求める再申請を行う事例も多いです。

企業が外国人を採用する場合

現在の日本企業は、国際競争力を維持し成長するために、優秀な外国人労働者を採用する必要性が高まっています。外国人を採用したが、就労ビザが許可されない場合には、企業に対しも多大な損失になります。
従って、外国人を採用する際には、就労に関する要件を十分に検討し、その立証資料を入管に提出しなければなりません。

また、外国人社員の採用後には、入管法に加え、労働法、社会保険法、国際税務等の知識も必要となります。

参考



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