ここでは、外国人の海外旅行時のビザと査証免除国等についてご説明します。

相談内容

日本の会社に勤めていますが、今年は会社全体で海外に社員旅行に行くことが決まりました。外国人は私一人、みんな日本人です。日本人はビザの手続が必要ないようですが、どうしてでしょうか?

会社は自分で手続できれば、参加しても良いといっていますが、ビザ申請は難しいでしょうか?
パスポートも後3か月しかなく、旅行はあと1か月後です。

目次

査証免除国とパスポート

有効なパスポートと残存期間

「査証(ビザ)免除取決め」とは

査証(ビザ)とは

査証免除国とパスポート

日本は、多くの国々と二国間協定等を結び「ビザの相互免除取決め」を行っているため、観光旅行、訪問、業務連絡など、90日程度の入国であれば、事前のビザ取得が免除されています。

この取決めにより、日本人は有効なパスポートさえあれば、いろいろな国をビザなしで訪ねることができますが、仕事を目的とした場合は、査証の申請が必要となります。

会社の旅行は社員旅行ですから、仕事を目的としていないため、訪問先が査証免除取決め国であれば、日本人は査証免除となりますが、あなたの国に査証免除の取決めがなければ、仕事以外でも、訪問国の駐日在外公館でビザ申請するしかありません。

一般的には、日本に帰る往復チケットと有効なパスポートに再入国の記載があり、そしてご自分の日本での在留に関する証明があれば、ビザ申請に問題はないでしょう。

ところで、パスポートの有効期間は3か月しか残っておらず、1か月後の旅行となれば、その国に入国するときは2か月しかないことになり、パスポートの残存期間が短すぎて、入国を拒否される可能性もあります。

今回の社員旅行に参加を希望するのであれば、まずはパスポートを自国の駐日大使館・領事館で新しくするか、あるいは更新しましょう。

その後にビザ申請をするべきですが、社員旅行を引き受けている旅行会社にビザの申請取次ぎをお願いすることはできます。一度相談してみてください。

有効なパスポートと残存期間

旅券とは、日本国政府、日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関の発行した旅券、又は難民旅行証明書、その他当該旅券に代わる証明書(日本国領事官等の発行した渡航証明書を含む)、及び政令で定める地域の権限のある機関の発行した旅券に相当する文書です(入管法2条5号イ・ロ)。

旅券は、日本国や外国政府及び地域の権限ある機関が発行したものであり、申請した個人の身分事項(氏名、国籍、生年月日、性別)や写真を表示する海外旅行用の公式身分証であり、国籍証明書となります。

有効期間は1回限りのものや、数次として5年、10年と長期間の旅券もありますが、有効期間内であっても、訪問国の決めた残存期間をクリアしていなければ、入国や出国時に問題が生じる場合があります。その国によって、30日、90日、6か月、あるいは滞在期間と同じ期間を求めてくるなど様々です。

入出国時のトラブルを避けるためにも、旅行の時には事前にパスポートの残存期間を調べましょう。

パスポートは残存期間が1年になれば、ほとんどの国が更新を認めています。

「査証(ビザ)免除取決め」とは

入管法6条に、上陸申請には有効なパスポートと日本国領事官等の査証を所持しなければならないとしていますが、ただし書きに、国際約束若しくは日本国政府が外国政府に対して行った通告により、日本国領事官等の査証を必要としないこととされている外国人の旅券、再入国許可を受けている者の旅券、及び難民旅行証明書の交付を受けている者の当該証明書には、日本国領事官等の査証を要しないと定められています。

ただし書きにある、国際約束若しくは日本国政府が外国政府に対して行った通告により、日本国領事官等の査証を必要としないこととされている外国人の旅券が、査証免除取決め国の旅券を指し、相互の人的交流の促進を図っています。

日本と査証免除取決めを行った国・地域の人(一般旅券所持者)は、日本への商用、会議、観光、親族・知人訪問等を目的とする在留資格「短期滞在」に該当する場合には、査証を取得することなく、上陸申請を行うことができます。

なお、台湾に対する査証免除は、入管法の特例として認められています。

注意すべきは、査証免除で日本に入国した場合、結婚や仕事が見つかったとしても、在留資格変更は認められるものではありません。

査証(ビザ)とは

査証は、一般的にはビザ(VISA)と呼ばれますが、在外公館でビザ申請をすることにより、事前にパスポートの有効性や本人確認を行い、入国は適当であると認定し、交付されます。

査証には、通過ビザ(TransitVisa)もあり、一般的には3日間であれば、査証免除の取決めがなくても、Non-Visaで上陸が認められますが、中国本土の人たちが香港に入る場合、7日間は通過ビザとして査証申請は必要ありません。