ここでは、外国人が日本で看護師の仕事をする場合の在留資格についてご説明します。
相談内容
私は現在日本語学校の学生ですが、日本で医療関係の仕事に就つきたいと考えています。本国では看護師の仕事をしていました。日本で看護師になるためには、どうすればよいですか?
目次
外国人が日本で看護師になるためには看護師免許が必要
日本は高齢化社会でもあり、医療の世界では医師・看護師不足が叫ばれて久しく、人材不足でもあります。それに2010年頃から、医療現場では外国人患者の受入れが始まっていますから、現場のグローバル化もあり、言語に強い看護師は歓迎されています。
日本の医療現場で働く為には、国家試験にパスし、日本の看護師免許が必要です。
大きな関門ですが、国家試験に臨むには、まず本国の看護師免許取得者であることを証明し、受けた教育内容、卒業した学校、履修時間の証明を行い、そして日本語能力を示して、国家試験受験資格の認定審査を受けます。
認定書が交付されれば、国家試験受験資格が認められ、国家試験(2月)に臨むことができます。
厚生労働省医政局看護課で、毎年4月1日から9月15日まで受験資格認定の書類受付を行っています。必ずご自身で持参し、提出しましょう。
現在の在留資格は「留学」であれば、日本語学校の2年間で試験に合格し、仕事先が見つかれば、在留資格変更許可申請を行い、「医療」の在留資格を取得することになりますが、国家試験は非常に難しい試験ですし、日本語能力試験もN1の認定書を提出しなければなりません。日本語学校の2年間で全てのことをやり終えるには、相当の努力が求められます。
また、「看護大学」、「看護短大」及び「看護専門学校」に入学するのも一つの方法です。医療関係の日本語も学習できますから、国家試験に臨むには良い選択かもしれません。
試験についても、よく調べてから結論を出しましょう。
EPA看護師等
二国間の経済連携協定(EPA)による、看護・介護人材受け入れは、一定の要件を満たす者が、一定の要件を満たす日本の病院・施設等で、看護師候補者、又は介護福祉士候補者として就労又は就学しながら、日本の看護師、又は介護福祉士の国家資格を取得する為の研修を受け、国家資格取得後は、引き続き日本で就労することを目指すものです。
これは、看護・介護分野の労働力不足の対応の為ではなく、公的な枠組みで特例的に行うものです。
「日比EPA」では、介護福祉士養成施設に入学し、所定の養成過程を修了することによって、介護福祉士の国家資格を取得する「就学コース」が設けられています。
「日越EPA」では、介護福祉士養成施設で、必要な知識・技能を修得しながら、国家試験の合格による介護福祉士の資格を目指す「就学コース」が設けられています。
日本の高齢化に伴い、老年人口は増え、一方で若者の人口は減少に向かい、年金問題とともに介護従事者不足も常に話題となっています。
日本がインドネシアやフィリピンとそれぞれ2国間経済連携協定(EPA)を結び、看護師、介護福祉士等の受入れを行ったのは平成20年です。国家試験取得を要件として、受入れの病院で3年間研修を受けつつ、試験に望むシステムですが、高い学歴と能力のある彼らも、国家試験への挑戦は漢字という文字との戦いもあって(現在はふりがなあり)、本人たちが来てみなければ分からなかった側面があります。
「医療」ビザと「医療滞在」ビザ