ここでは、外国人が日本で教育を受けるために役立つ、日本の教育制度をについてご説明します。
目次
現在の日本の教育制度は、一般に6-3-3-4制と言われ、小学校6年間、中学校3年間、高等学校3年間、大学4年間の制度となっており、小学校と中学校が義務教育となっています。
なお、幼稚園などにおいて就学前の教育を行っています。
1.小学校・中学校
公立小・中学校への入学
・日本人の6歳から15歳の子どもを持つ保護者には子どもを小学校及び中学校などに就学させる義務が課されています。
・外国人の場合でも公立の小学校及び中学校への就学を希望する場合は、無償(授業料、教科書)で受け入れています。
・住んでいる市区町村に、子どもを日本の公立学校へ入学させたい意思を伝えてください。
・市区町村から受け取った「外国人児童生徒入学許可書」などを持って、指定された学校へ行ってください。
・なお、日本には、小学校・中学校以外に9年の義務教育を一貫で行う義務教育学校や障害のある子どもが通う特別支援学校があります。
2.高等学校
・高等学校は、中学校を卒業した人などが通う学校で、入学に当たっては、原則として入学試験を受ける必要があります。
・高等学校は、教育の形態により、全日制、定時制、通信制の課程に分かれています。
・高等学校を卒業した人は、大学などに入学する資格が認められます。
3.外国人学校
・小学校・中学校・高等学校の他、外国人児童生徒を対象とした教育施設は様々な形態で存在しており、専ら外国人の子供の教育を目的としている施設は、外国人学校と呼ばれています。
・それぞれ異なる文化的・民族的背景、言語、教育内容、進学・就職実績などを持っていることから、就学に際しては、その子どもに適した学校を選択するとよいでしょう。
4.夜間中学
・日本には、本国又は日本において義務教育を修了していない人が通うことができる「夜間中学」があります。
・夜間中学は全国12都府県30市区に36校設置されており(2021年4月現在)、様々な事情により義務教育を修了できなかった人を受け入れています。
・近くに夜間中学がある場合は、それを設置する教育委員会に相談してください。
政府広報オンライン「さまざまな事情により、中学校で勉強することができなかった人へ「夜間中学」を知っていますか?」
5.中学校卒業程度認定試験
・日本の中学校を卒業していない人が受けることができます。
・試験は、年に1回行っています。
・合格すると日本の高校の入学試験を受けることができます。
6.高等学校卒業程度認定試験
・日本の高校を卒業していない人が受けることができます。
・試験は、年に2回行っています。
・合格すると、次のことができます。
①日本の大学や短期大学、専門学校などの入学試験を受けることができます。
②高校を卒業している人を対象としている就職試験や資格試験を受けることができます。
7.高等教育機関(大学など)
大学などへの入学資格
・日本で「高等学校」、「中等教育学校」又は指定外国人学校を卒業した人などは、次の学校への入学資格が認められます。
①大学
②専門職大学
③短期大学
④専門職短期大学
⑤専門学校(専修学校専門課程) など
・次の資格を持っている人にも、上記の学校への入学資格が認められます。
①国際バカロレア(International Baccalaureate)
②アビトゥア(Abitur)
③バカロレア(Baccalaureate)
④GCEA レベル(General Certificate of Education, Advanced-Level)
・次の団体から認定を受けた教育施設(12年の課程)を卒業すれば、上記の学校への入学資格が認められます。
①WASC(The Western Association of Schools and Colleges)
②CIS(Council of International Schools)
③ACSI(Association of Christian Schools International)その他の高等教育機関
・他にも、次の日本の高等教育機関には、それぞれ入学資格が定められています。
①主に大学卒業後に進学する大学院
②主に大学卒業後に進学する専門職大学院
③主に中学校卒業後に進学する高等専門学校
8.高等教育機関への入学試験
・高等教育機関に入学するためには、各高等教育機関が実施する試験や書類審査を受ける必要があります。
・各機関の判断において、外国人向けに特別な入学選考を行っている場合もあります。
・留学生に関しては、日本学生支援機構が実施する日本留学試験(EJU)が、多くの大学などで特別な入学選考の参考として活用されています。