適用事業所で働く労働者は、要件を満たせば、厚生年金保険に加入します。厚生年金保険の加入の対象にならなかった労働者は、国民年金に加入します。
ここでは、厚生年金保険についてご説明します。
目次
厚生年金保険について
適用事業所で働く労働者は、要件を満たせば、厚生年金保険に加入します。(適用事業所の要件、加入のための要件は健康保険と同じです。)
厚生年金保険の加入の対象にならなかった労働者は、国民年金に加入します。
(1)被保険者(加入者)
・適用事業所で働く70歳未満の人は要件を満たせば、厚生年金保険の被保険者(加入者)になります。
適用事業所
次のような事業所は適用事業所になります。
①株式会社などの法人
②農林水産業・サービス業などを除く個人事業所(5人以上)
③労使合意により、任意に適用となる事業所
(2)保険料
・本人負担分の保険料は次のように計算されます。
毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)×保険料率÷2
※厚生年金保険の保険料は事業主と被保険者(加入者)が半分ずつ負担します。
(3)保険給付
老齢厚生年金
・厚生年金の被保険者(加入者)であった期間を持っていて、受給資格期間が10年以上の人は、老齢厚生年金を受給できます。
・老齢厚生年金の額は、厚生年金の被保険者(加入者)であったときの毎月の給与(標準報酬月額)などと期間の長さに応じて決まります。
※一定の生年区分の人で保険料納付要件を満たす人は、65歳になる前に老齢厚生年金を受給できる場合があります。
障害厚生年金
・次の全てに該当した人は障害厚生年金が受給できます。
①厚生年金保険に加入している間に障害の原因となる病気やけがの初診日がある
②病気やけががもとで一定以上の障害が残った
③初診日の前日時点で保険料の納付要件を満たしている
・障害厚生年金の障害等級には1級、2級、3級があります。
・障害厚生年金の額は、等級によって変わります。
①障害等級1級→老齢厚生年金の125倍の額
②障害等級2、3級→老齢厚生年金と同じ額
※障害等級3級の障害厚生年金には最低保障額があります。
最低保障額=2級の障害基礎年金額×3/4
障害厚生年金を受給できる障害の程度に該当していなくても一時金として、障害手当金を受給できる場合があります。
遺族厚生年金
・次のいずれかに該当した人で、死亡した人に生計を維持されていた遺族は遺族厚生年金を受給できます。
①保険料納付要件を満たし、被保険者(加入者)である人が死亡したとき
②保険料納付要件を満たし、被保険者(加入者)期間中の病気やけががもとで初診日から5年以内に死亡したとき
③被保険者又は被保険者であった人で、老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある人が死亡したとき
④1級・2級の障害厚生年金を受けることができる人が死亡したとき
・遺族厚生年金の額は死亡した人の老齢厚生年金の額の4分の3です。
遺族とは
遺族とは次の人を指します。
①配偶者(夫は55歳以上、60歳から支給)
②子(国民年金における子と同じ)
③父母(55歳以上、60歳から支給)
④孫(子どもと同じ要件あり)
⑤祖父母(55歳以上、60歳から支給)
※夫が遺族基礎年金の受給権があるときは、遺族厚生年金を55歳から受給できます。
※父母、孫、祖父母については、先順位の人が受給するときは受給できません。
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