ここでは、在留カードの手続の流れについてご説明します。

相談内容

在留カードの手続の流れはどうなっていますか?

住民基本台帳法を適用

増加する外国人の定住化に伴い、外国人にも暮らしやすい地域社会への実現に向け、平成21年に入管法が改正され、日本人同様の行政サービスが提供できる「新たな在留管理制度」が平成24年7月9日にスタートしました。

具体的には、外国人にも日本人と同じ地域住民として、住民基本台帳法を適用し、外国人登録から住民登録への移行作業が行われ、外国人も日本人と同じ住民基本台帳に改編されました。

住民基本台帳は、日本人、外国人の複数の国籍で構成される家族にも、世帯単位で編成することができるため、外国人の居住関係がより的確に把握でき、行政サービスの面からも、医療、教育、福祉、社会保障等に均一な情報提供が行えることから、共存社会に向けての社会環境が整備されたと言えます。

中長期滞在者について

同時に、入国管理の面でも、終戦以前から在留する特別永住者と、いわゆるニューカマーと呼ばれる中長期滞在者とを区分し、特別永住者には今までの外国人登録証明書と同様に市区町村で「特別永住者証明書」を交付し、比較的異動が多い中長期滞在者に対しては、地方入国管理官署で「在留カード」の交付を行い、在留管理の一元化を図っています。

中長期滞在者に在留カードを交付

例えば、新規上陸者の場合、日本の空港等に到着すると入国審査官から、パスポートに上陸許可の証印を受けますが、在留資格が「中長期滞在者」に該当すれば、氏名、性別、生年月日、国籍等については、パスポートの記載内容から、写真(在留資格認定証明書より)、在留資格・期間等は入国管理局のデータから、「在留カード」に反映し、上陸の時点で交付されます(成田空港、羽田空港、中部空港及び関西空港)。

パスポートには、新規上陸時の証印シールに、在留資格・期限等の許可内容が記載されていますが、入国後の在留更新、在留資格変更は、その都度、在留カードが新しく交付され、パスポートへの証印は行いません。

在留カードは日本の在留許可書として交付され、同時にパスポートは出入国時の身分証明書として本来の役目を担います。

入国後、居住地の住所が決まれば、14日以内に「在留カード」を持参し、市区町村に住所地の届出を行い、市区町村を経由して法務大臣に届出を行うことになります。

そして、居住地では、外国人もその地域の住民として転居・転入及び長期出国の際は、市区町村に届出を行うことになります。

それとともに、所属機関等に関する届出も義務化され、就労先、学校、及び配偶者等の離婚・死別など、それぞれの情報が入国管理官署に集約される仕組みになっています。

新しい制度は、出入国在留管理官署と市区町村の相互連絡により、「在留カード」には入国から居住・在留関係や身分関係の変動が常に反映され、個人の行動が1本の線で描かれるシステムになっています。

このシステムの活用により、就労者や日本人・永住配偶者には最長5年が、留学生には最長4年3か月が新設され、みなし再入国など外国人にとっての緩和策が設けられています。