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株式会社の定款の記載事項には、
①法律上必ず記載しないと定款が無効となるもの(絶対的記載事項)、
②定款に記載しないと効力が生じないもの(相対的記載事項)、
③記載するかしないか当事者に任されているもの(任意的記載事項)があります。

1.定款の記載事項

定款の記載事項は、以下のとおりです。

①法律上必ず記載しないと定款が無効となるもの(絶対的記載事項)
②定款に記載しないと効力が生じないもの(相対的記載事項)
③記載するかしないか当事者に任されているもの(任意的記載事項)

このうち、上記①は必ず、記載していないと定款が無効となるので、注意を要します。
会社法が規定する定款の絶対的記載事項は、次のとおりです。

⑴絶対的記載事項とは

①目的

②商号

③本店の所在地

④設立に際して出資される財産の価額又はその最低額

設立に際して発行する株式の総数(設立時発行株式総数)については、出資される財産の総額にかかわらず、設立時発行株式数が定まる改正前商法の規定は、設立手続を硬直化させるおそれがあるとして、絶対的記載事項から除き、会社の設立に際して出資される財産の価額又はその最低額を定めて定款に記載すべきであるとされました。

⑤発起人の氏名又は名称及び住所

以上の事項の記載を欠く定款は無効です。

なお、会社が発行する株式の総数(発行可能株式総数)については、定款作成時に定める必要はないものとし、設立中の株式引受け状況を見極めながら、設立登記申請時までに定款に定めればよいことになっています。

⑵相対的記載事項とは

相対的記載事項とは、絶対的記載事項と異なり、定款に記載がなくても直ちに定款の無効を招来しないが、記載がない以上、その事項につき効力が認められない事項です。

会社法は、法律の各条項に一応の定めがある事項について定款によりこれと異なる定めを置くことができる場合を、逐一その条項に明記しており、法律に「定款により別段の定めをすることができる」旨の規定がない以上、それと異なる定款の定めは認められません。
そこで、会社法に「定款により別段の定めをすることができる」旨の定めがある事項が相対的記載事項ということになります。

このような意味で法が承認し、定款自治に委ねた相対的記載事項は、相当広範囲、かつ、重要なものであり、そのうち主要なものを示せば、次のようなものがあります。

・相対的記載事項

①変態設立事項

②設立時取締役及び取締役選任についての累積投票廃除

③株主名簿管理人

④譲渡制限株式の指定買取人の指定を株主総会(取締役会設置会社にあっては取締役会)以外の者の権限とする定め

⑤相続人等に対する売渡請求

⑥単元株式数

⑦株券発行

⑧株主総会、取締役会及び監査役会招集通知期間短縮

⑨取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人及び委員会の設置

⑩取締役、会計参与、監査役、執行役及び会計監査人の責任免除

⑪社外取締役、会計参与、社外監査役及び会計監査人の責任限定契約

⑫取締役会設置会社における中間配当の定め

⑶任意的記載事項とは

定款の記載事項のうち、絶対的記載事項及び相対的記載事項以外の事項で、会社法その他の強行法規の規定等に違反しないものを任意的記載事項といいます。

任意的記載事項は、定款に定めた範囲で株主その他の内部の者を拘束し、その事項を変更するには、定款変更の手続が必要です。

任意的記載事項としては、例えば次の事項に関する規定があります。

①株式について

株主名簿の基準日
株主名簿の名義書換手続
株券の再発行手続

②株主総会について

定時株主総会の招集時期
株主総会の議長
議決権の代理行使

③株主総会以外の機関について

取締役、監査役、執行役の員数
代表取締役、役付取締役(会長、社長、副社長、専務取締役、常務取締役等)
取締役会の招集権者

④計算について

事業年度

⑤公告について

・公告の方法

会社法は、すべての会社の公告方法について、任意的記載事項とし、官報に掲載する方法、時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法、電子公告のいずれかを選択できるものとし、定款に公告方法の定めがない会社については、自動的に官報に掲載する方法によることとしています。

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