ここでは、「技能」ビザの概要についてご説明します。
目次
1.「技能」とは
「技能」ビザとは、外国人調理師、スポーツ指導、ワインの鑑定等の職種が該当します。
「技能」ビザの外国人調理師は、日本において、料理店では仕事をすることが出来ますが、料理店を経営することは出来ません。料理店を経営する為には、「経営・管理」ビザを取得しなければなりません。
「技能」とは、日本の公私の機関との契約に基づいて、産業上の特殊な分野の熟練した技能を要する業務に従事する活動です。
具体的には、以下の業務が該当します。
「技能」ビザの職種例
①外国料理の調理
②外国で考案された工法による住宅の建築
③宝石・貴金属・毛皮の加工
④動物の調教
⑤外国特有のガラス製品、絨毯等の制作・修理
⑥石油探査の為の海底掘削等
⑦定期便の航空機の操縦
⑧スポーツの指導
⑨ワインの鑑定等の熟練した技能を要する業務
2.「産業上特殊な分野」の業務
「産業上特殊な分野」とは、外国特有の産業分野、外国の技能レベルが日本より高い分野、日本に熟練技能労働者が少ない分野をいいます。
例えば、
味噌ラーメン、ちゃんぽん、皿うどん等は、中国が起源であり、中国人が考案したものですが、その後高度に日本化された料理ですので、「産業上特殊な分野」である中華料理とは言えません。
※チャーハン、シュウマイは、「産業上特殊な分野」である中華料理に該当します。
3.「熟練した技能を要する」業務
「熟練した技能を要する業務」とは、長年の修練と実務経験で身に付けた、熟達した技量を必要とする業務です。
4.「技能」と単純労働の区別
「技能」は、特別な技能・判断等を必要としない機械的作業である単純労働と区別されます。
5.「技能」と「技術」の区別
「技能」(調理師等)は、自己の経験の集積によって有する能力ですが、「技術」(エンジニア等)は、学術上の理論を実際に応用する能力をいいます。
6.公私の機関について
外国の会社であっても、日本に事務所・事業所があれば、機関に該当します。
また、個人事業主も機関に該当しますが、その安定性等を立証するのが難しい場合があります。
7.「契約」について
「契約」には、雇用契約の他、委任、委託、嘱託等がありますが、その契約は継続的なものでなければなりません。1~2か月等の短期間の労働契約は許可されません。
又、給料については、日本人と同等額以上ということが求められます。
業務委託契約の場合、委託報酬は年間で300万円以上が望ましいです。
又、委託期間が2~3か月等短いと、安定性・継続性がないと評価され、不許可となる可能性が高いです。
但し、契約を自動的に更新するとの条件があれば、許可される可能性はあります。
8.機関の適正性・安定性・継続性
ビザが許可されるためには、機関の事業が適正に行われること、かつ安定性・継続性が求められます。
適正というのは、違法行為・不正行為等がないことをいいます。
安定性・継続性は、売上、利益、規模・設立年度等から判断されます。
新しい会社の場合は、事業計画書等を提出して、その安定性・継続性を具体的に立証・説明する必要があります。