ここでは、外国人の賃貸契約時の知っておくべきことについてご説明します。

相談内容

私は外国人で、日本に来たばかりですが、家を借りるときにどんなことを知っておいた方が良いでしょうか。

目次

入居一時金(礼金・敷金)

更新料

連帯保証人と保証会社

留学生の保証人

「預り金」や「手付金」

不動産屋さんを通じない場合のまた貸し等

賃貸契約書は細かくチェック

管理費(共益費)

退去時の家賃の支払い

入居一時金(礼金・敷金)

入居一時金は、居住地域の慣習により、内容に大きな差があります。

東京地区は、敷金・礼金・更新料がありますが、関西には敷金と敷引きがあり、敷引きは東京の礼金と同じく返却されず、家賃の4~5か月と高いですが、更新料はないです。

また、最近は借り手、貸し手の需給のバランスや建物の新旧にもよって、敷金がゼロになる場合や敷金・礼金がゼロのところもありますが、安いだけで決めるのではなく、契約内容を必ず確認してください。入居一時金については居住地の不動産屋にお尋ねください。

更新料

契約更新の際に、賃料の1~2か月分を求められますが、古くからある日本の慣習であって、一般化しています。

更新料は、法律的な根拠がないことから、支払いにはトラブルになりやすい一面もありますが、判例でも更新料の性格を、賃料の補充(前払い)及び賃貸契約を継続する対価として認められ、契約を継続するに当たって、貸し手と借り手の信頼関係を維持するための手続として受け入れられています。

しかし、信義則に反する法外な金額の更新料は認められていません。

連帯保証人と保証会社

連帯保証人は、部屋を借りた人が家賃を払わない時や修理費を支払わない時に、その債務に関して支払義務が生じ、家主は、その保証人に支払をを請求することができます。

そのため、保証人探しは難しく、親族のいない外国人は苦労します。そんな場合に、費用が掛かりますが、保証人に代わって保証会社を利用することができます。

留学生の保証人

学校が「日本国際教育支援協会」の留学生住宅補償制度の会員であれば、留学生住宅補償の保険、年間4000円に加入すれば、機関保証をお願いすることができます。大家さんの同意も必要ですが、所属する学校の学生課で申し込んでください。

「預り金」や「手付金」

不動産屋の店頭で、気に入ったものが見つかったとき、「預り金」や「手付金」を求められる場合があります。

「預り金」とは、
契約前に物件の申込順位を確保するときに、一時的に預けるお金であって、契約不成立の場合は当然返却を要求できます。

「手付金」は、
家賃の1か月分ですが、気に入った物件があった場合に、それを確保するために支払います。
契約が成立すれば、手付金は敷金にあてられますが、そのお金を放棄することで契約を解除できるという解除権を留保する意味を持っています。したがって契約は解除できますが、当然お金は返却されませんので、「手付金」の支払には注意が必要です。

不動産屋さんを通じない場合の又貸し等

外国人の中には連帯保証人がいないため、不動産屋さんを通さず、同国人の物件や又貸しを利用することがありますが、契約が曖昧なため、トラブルも多く、解決も難しいので、気を付けてください。

賃貸契約書は細かくチェック

契約書を細かく読むのは大変ですが、敷金返還や原状回復に要する費用等の項目、修繕に関する事項、契約解除事項(一般的には30日前には貸主に告げる)、及び特約事項はチェックしてください。

特約に様々なことが記載されている場合は、原状回復に関しても記載されている可能性がありますので、気を付けてください。

管理費(共益費)

共用部分の維持管理費です。玄関ホール、廊下の清掃代や電気代などが対象です。

退去時の家賃の支払い

時々あるトラブルとして、月の途中で入居し、1年後若しくは2年後の、退去時の家賃の支払いに関するものです。

家賃は月極ですが、入居時が月の途中である場合、例えば10月の11日とした場合、ひと月の家賃を31日で割り、1日分の家賃を計算して、その月の21日分を支払い、翌月分からは月単位で家賃を前払いしていきます。

そのため、契約解除が翌年の10月11日であっても、支払わなくても良いとはなりません。入居時と同じく日割りして、10日分を支払って退去します。

日割り計算について、ひと月を30日とする場合と当該月の日数とする場合があります。