ここでは、外国人の賃貸契約時の注意事項についてご説明します。

相談内容

私は日本で就労している外国人です。日本で家を借りるときの知識を教えてください。
特に、入居時・退去時のトラブルを回避するには、どんなことに注意すればよいでしょうか。

目次

1.敷金・礼金・仲介手数料

2.連帯保証人、保証会社

3.必要なものと契約書の確認

日本で賃貸住宅を利用する場合、敷金・礼金及び身元保証制度については、契約の際の重要な知識です。

1.敷金・礼金・仲介手数料

まず、家賃以外の諸費用(入居一時金)に、敷金・礼金・仲介手数料があります。

①敷金
敷金は保証金とも呼ばれ、家賃の1~2か月分請求され、退去時の部屋代の滞納分や不注意等で部屋を破損した場合の修繕費にあてられます。

②礼金
礼金は権利金とも呼ばれ、家賃の1~2か月分です。部屋を借りる権利の取得に対するお礼として、家主に支払われます。

③仲介手数料
不動産屋を介して物件を借りた場合、家賃の約1か月分を仲介手数料として支払います。

地域差があったとしても、契約に臨む際には、約4~6か月分の家賃を準備する必要があります。

2.連帯保証人、保証会社

家賃の滞納が生じるなどの万一に備え、連帯保証人が求められますが、知人にお願いできない場合は、支払いをクレジットにする方法や保証会社を利用することで解決することもできます。

3.必要なものと契約書の確認

不動産屋さんによっては、身元確認のため、在留カード、パスポート、印鑑、収入証明(預金通帳)を求められる場合もあります。

決めた物件については、重要事項説明書により、登記上の権利関係や管理費などの説明を受け、必ず確認してください。

管理費(共益費)は、家賃以外に支払うべき費用です。

契約内容は、慌てないで、契約書に何が記載されているか、具体的に説明を聞きながらチェックしてください。特に契約解除事項・原状回復・特約部分には注意すべきですが、言語上の問題があれば、身元保証人か言葉の分かる友人が同伴したほうが良いでしょう。

国土交通省のホームページに、「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」が掲載されていますので、参考にすることができます。このガイドラインには、日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、ネパール語、タイ語、インドネシア語、ミャンマー(ビルマ)語、カンボジア(クメール)語、タガログ語、モンゴル語の14カ国語で、契約時に役立つ各種チェックシートや、入居申込書、重要事項説明書、賃貸住宅標準契約書、定期賃貸住宅標準契約書等の見本も掲載しています。

トラブルを避けるためには、入居時の部屋の状態を写真あるいは国土交通省の原状回復確認ㇼストにより、双方が確認することも必要でしょう。

また、退去時のトラブルを避けるためにも、日々の掃除も大切です。そして退去の折には、貸主にも立ち会ってもらい、部屋の確認作業を行うべきです。

外国人定住化の動向を受け、不動産会社や大家さんの中にも、外国人に対して理解を示すところは増加しつつあり、少し規模の大きい不動産屋さんであれば、外国人に対しても情報の提供をしています。