ここでは、建物の上の階で水漏れして、下の階に被害が出た場合の、責任の所在についてご説明します。

建物自体、あるいは配管等に問題があった場合には、その問題の箇所にもよりますが、借主の責任が軽減される、あるいは問われないこともあり得ます。

相談内容

私は、築5年ほど経ったマンションの2階を借りて、住み始めて1年経ちます。今まで何事もなく快適に過ごしていたのですが、先日、洗濯機の排水口から水漏れしたようで、1階の方に被害が出たようです。管理人から連絡がありましたが、どうしたらよいのでしょうか?
洗濯機は順調に作動しており、ホースが外れていたということはないと思いますが、こちらに責任があるのでしょうか?

目次

水漏れの原因特定

占有者の責任

所有者の責任

水漏れの原因特定

まず、何が水漏れの原因だったのか、はっきりさせなければなりません。原因が特定されれば、その原因を発生させた者が責任を取らなければなりません。

明らかにあなたの洗濯機が原因であるということになれば、貴方が責任を問われることになります。

しかし、特に原因となるようなことがなく、建物自体、あるいは配管等に問題があった場合には、その問題の箇所にもよりますが、あなたの責任が軽減される、あるいは問われないこともあり得ます。

心当たりとなる原因がなかった場合には、一度不動産屋さん(大家さん)に連絡してください。

給排水管の劣化や設備に原因がある場合、水漏れの原因を調べたり、被害の状況の確認には、階下の方の協力も必要となりますし、マンションの管理組合の協力を得て、原因の調査を専門家に依頼することになります。

漏水の発生した部分が「占有部分」なのか「共用部分」なのかによっても、責任分担は変わり、管理組合による修理が行われる可能性も出てきます。

しかし、やはり原因が洗濯機と特定されれば、あなた自身が修理費を負担しなければなりません。入居時に損害保険に加入していれば良いのですが、階下の方の保険で修理をした場合、その保険会社から求償されることにもなります。

とにかく不動産屋さんに連絡して、原因を明らかにすることが大切です。

占有者の責任

洗濯機のホースが外れていた、あるいは水道の蛇口の閉め忘れなどが原因で、水漏れが起こったような場合には、原因を作ったほうが、被害者に対して不法行為による損害賠償責任を負うこととなります。

所有者の責任

建物そのものの設置又は保存に瑕疵があったために、他人に損害を与えた場合は、一次的には、建物の占有者が責任を負いますが、二次的には、建物の所有者が損害賠償をしなければなりません。

この場合に、占有者は損害の発生を防止するために必要な注意をしていたときは、その責任を免れますが、所有者は十分に注意していて、無過失のときでも、その責任を免れることはできません。建物自体の欠陥に居住者の責任も加わって被害が発生したような場合でも、建物の所有者に対して、建物の設置又は保存の瑕疵による損害賠償責任を問うことができます。

クーラーや備付け電気製品等(湯沸かし器など)に関する修理費は、借主が不自然な使い方をした結果であれば、修理費は借主の負担になりますが、通常の使用であれば、経年による自然消耗・破損として貸主の責任となります。

貸主は家賃を受け取り、借主に対して、賃貸した部屋を通常の状態で使用させる義務(修繕義務)があり、附帯設備がある分、家賃は高くなっています。

トラブルにならないように、契約時、お互いの責任の所在を確認しましょう。