日本における外国人の土地等の不動産購入には、制限はありません。外国人であっても、住所地が明確であれば、不動産の権利登記は行えます。したがって、海外居住者でも購入可能となっています。

相談内容

私は、現在短期滞在で日本に来ています。日本でマンションを購入するつもりですが、今回マンションを購入した場合、人に貸すのか、自分たちが来日した時や子供の留学に備えようか使用方法は、まだ決めていません。

外国人が不動産を購入する場合、何か規制はありますか。
注意すべきことは何でしょうか。
不動産にはどんな税金があるのでしょうか。
そして人に貸した場合の税金も教えてください。

目次

外国人(非居住者)の不動産購入について

不動産購入に関して注意すべきこと

不動産業者選びと物件確認

不動産に関する税金

日本銀行への報告

海外送金等について

外国人(非居住者)の不動産購入について

現在の日本には、外国人が土地や居住用不動産などを購入する場合、制限はありません。外国人であっても、住所地が明確であれば、不動産の権利登記は行えます。したがって、海外居住者でも購入可能となっています。

不動産購入のため、短期で来日している場合、税区分は非居住者となります。非居住者が営利目的で不動産を購入する場合には、日本銀行へ購入後の20日以内に事後報告することが義務付けられています。

そして、日本に居住していない場合について、銀行からのローン借入は無理でしょう。銀行ローンの貸付は、日本に在留している場合でも永住者を主たる対象としています。

不動産購入に関して注意すべきこと

不動産購入に関して注意すべきことは、日本の事情が分からないまま、個人で購入物件を見つけることは非常に危険です。不動産関係の広告はたくさん見かけますが、信用できる情報とは限りませんので、信頼できる不動産会社等を探し購入すべきです。不動産会社を利用したほうが登記等の手続も簡単でしょうし、税金についても説明をうけられるでしょう。

不動産を購入する場合、大切な権利登記には、書類作成のための印鑑登録や現在の住所地を証明する書類が求められますが、「短期滞在」は長くて90日の滞在ですので、住所登録や印鑑登録は市区町村では受理されません。

駐日大使館・領事館に出向き、印鑑登録にはサイン証明を、住所に関しては、大使館が公証・認証する業務を行っているあるいは宣誓供述書を作成する場合もありますので、直接大使館若しくは公証役場でお尋ねください。

不動産業者選びと物件確認

専門知識が必要とされる不動産取引では、信頼のできる不動産業者を選ぶことが大切です。

まずは、国土交通大臣か知事から宅地建物取引業の免許を受けているかどうかを確認します。業者の実績等については、都道府県宅地建物取引業の担当部局で調べることが可能です。

特に中古物件の場合は、売主の本人確認や法律上の規制等についても確認しなければなりません。登記所(法務局)で登記簿を閲覧し、登記されている物件の所有の状況、面積、境界、道路の状況などを確かめましょう。その不動産に、抵当権や賃借権が設定されていないか等の確認も不可欠です。

土地を買って家を建てるような場合には、都市計画法の用途地区や道路の状況(建築基準法上の要件を満たしていないと建築ができません。)などの確認が必要となります。

不動産に関する税金

不動産に関する税金は、不動産取得税(都道府県税)、消費税(国税)、地方消費税、印紙税、登録免許税、固定資産税(地方税)、都市計画税及び所得税(国税)、住民税(都税・区市町村税)、個人事業税(地方税)と多く、諸経費も不動産取得税等を含め、不動産購入価格の3~5%が必要です。

1.購入時

不動産取得税、消費税(国税)、地方消費税、印紙税(売買契約書に貼る印紙、国税)です。

2.登記する場合

登録免許税があります。

3.購入後の保有する場合

毎年支払うことになる固定資産税、都市計画税があります。

4.賃貸した場合

所得税(国税)、住民税(都税・区市町村税)、個人事業税などがあります。
非居住者の場合、住民税は必要ありませんが、人が住まない場合、住民税のうち市区町村税の均等割部分は支払が生じます。
賃貸した場合は、確定申告(毎年2月16日~3月15日)を行ってください。

5.不動産を貸し出した場合の税金

また、賃貸として不動産を貸し出した場合は、国内源泉所得となり、非居住者は20%課税されますが、確定申告を行えば、基礎控除・寄付控除・雑損控除が認められます。

そして、空き家にして、日本に来たときのみ使用する場合は、住民税の市区町村税の均等割部分が課税されます。

家を購入後の税金は、毎年のことですから、必ず納税管理人の選任を行い、滞納などが生じないようにしましょう。詳しくは、取引を開始する不動産会社にお尋ねください。

6.東京都の住民税(都税+市区町村税)について

1月1日現在、都内に住んでいた方。
また、住んでいなくても事務所や家屋敷を持っている方(借りている場合も含みますが、貸している場合は含みません。)。

また、転居した場合、1月1日に住んでいた市区町村で課税されます。

外国人等の取扱いについて

①1年未満で日本を出国した場合
均等割、所得割ともに非課税

②日本国内に住所を有しないが、事務所や家屋敷を所有している場合
均等割のみ課税(借りている場合も含みますが、貸している場合は含みません。)

③1月1日現在、日本に居住して1年以上経過した、あるいは、居住して1年未満だが、通常1年以上継続して居住することを必要とする職業を有する場合
所得割・均等割ともに課税

日本銀行への報告

外為法で定められた資本取引(資金の移動のみ、モノやサービスの移転を伴わない対外的な金融取引)には、報告が義務付けられています。

外為法の適用範囲には、居住者と非居住者が日本で行った取引も入り、対外取引の当事者に対して、様々な報告を20日以内に行うことを義務付けています。
但し、報告が不要になる場合もあり、取引に関する報告のうち、非居住者による本邦不動産若しくは、これに関する権利の取得が「自己又は親族若しくは使用人その他の従業員の居住用」とあります。

したがって、営利な目的でない場合は、報告は必要としません。

海外送金等について

外国人が家を購入し、毎年かなりの収益を上げ、国外に送金する場合、200万円を超える海外送金は、金融機関等における顧客の本人確認が義務付けられ、在留カード、運転免許証などの提示が求められます。

また、100万円を超える現金・小切手の持ち出しは事前に税関への届出が必要です。口頭による申告は廃止となり、書面での申告が必要となっています。