都営住宅は、「正式同居許可」を受け、継続して都営に居住しているのであれば、使用名義人の配偶者に、都営の使用変更を認めている場合があります。

相談内容

私たちは都営住宅に住んでいますが、離婚することになりました。せっかく確保した都営住宅を離れたくないのですが、夫が出て行った場合、離婚後の使用は可能でしょうか。
そして、夫は時々大声で騒ぐため、隣人に迷惑をかけることがあるので、離婚後に訪ねてこないように都営住宅間での引っ越しは許されないのでしょうか。

目次

離婚した場合の都営住宅の使用権の変更

都営住宅間での引っ越し

離婚した場合の都営住宅の使用権の変更

二人の同居が期限付きであったり、あるいは「正式同居許可」を受けていなかった場合は問題ですが、「正式同居許可」を受け、継続して都営に居住しているのであれば、使用名義人の配偶者に、都営の使用変更を認めている場合があります。

離婚を決める前に、東京都の住宅供給公社の窓口で一度相談してください。

この申請には「住宅使用承継申請書」を提出しますが、住宅供給公社では、名義人の死亡や離婚による転出等のやむを得ない事情があることを前提として、収入が入居収入基準以下であって、なおかつ定められた条件を満たしているかなどの審査を行います。

離婚後には、夫婦の一方が家を出ることになりますから、受持ち区域の住宅供給公社窓口センターに転出による世帯員変更届を提出します。その際、使用名義人の転出は、都営住宅の明渡しを意味し、住宅使用の権利を失います。

名義人が夫である場合に、配偶者は迅速に「住宅使用承継申請書」を提出し、使用変更を願い出ることになりますが、万一使用承継の基準に当てはまらない場合、名義人の転出等の事由が発生してから6か月間の退去猶予中に引っ越ししなければなりません。

したがって、この件は安易に考えないで、事前に調べておくことが大切です。

都営住宅間での引っ越し

同様に、離婚後の夫が、都営住宅を訪れ、隣人に迷惑をかけるのではないかと今から危惧しているようですが、そのための住宅変更については難しいでしょう。

入居時より家族が増え子供が多い、あるいは足が不自由になり階段を上がれないなど、物理的に明確な理由があれば、転居も考慮されますが、隣人がうるさい、あるいは迷惑をかける等の近隣関係による理由はあまり認められていないでしょう。

現在の夫の暴力がどの程度のものか、切実な状況があるのか、その次元の問題でもありますので、万一その状況が生じるようであれば、福祉事務所若しくは警察等に相談したほうがよいのではないでしょうか。

とにかく一度住宅供給公社で詳しくご相談ください。