ここでは、外国人が出国している場合、児童手当を受給できるのかについてご説明します。
相談内容
外国人が日本から出国している場合、児童手当はもらえますか?
目次
2.外国人の住民票が消除されないまま出国している場合の「児童手当」
児童手当
児童手当の目的(児童手当法1条)
「この法律は、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とする。」
外国人の支給要件
受給できる保護者とは、日本国内に住所を有する者であり、支給対象となる児童を養育する父母等のうち生計中心者(所得の多い方)に支給されます。
支給期間は、支給対象となる児童の年齢が15歳に達する日以後の最初の3月31日までとし、児童にも国内居住要件が問われます。
そのため、児童が海外に居住している場合は、原則手当は支給されませんが、留学で出国する場合は、「留学その他厚生労働省で定める理由」として、受給できる場合があります。
留学に該当するには、以下の条件をすべて満たしている必要があります。
①日本国内に住所を有しなくなった前日までに、日本国内に継続して3年を超えて住所を有していたこと。
②教育を受けることを目的として海外に居住しており、父母等と同居していないこと。
③日本国内に住所を有しなくなった日から3年以内であること。
なお、住民票を日本に置いたままであっても、海外に居住している場合は留学を除き支給対象となりません。
手続きが遅れて、児童手当が払い過ぎとなった場合、返還する必要があります。
外国人が出国している場合の「児童手当」
1.基本的取扱い
外国人が生活の本拠を移して出国する場合には、住所地の市町村長に転出届をすることが必要であることから、児童手当等の受給者である外国人が出国する場合には、住民票が消除された日をもって、児童手当等の受給権を消滅します。
また、外国人の児童が出国する場合には、「留学その他厚生労働省令で定める理由」による場合を除き、住民票が消除された日をもって、支給要件児童ではなくなります。
2.外国人の住民票が消除されないまま出国している場合の「児童手当」
(1)再入国の許可を受けないで出国している場合
児童手当等の受給者である外国人が、再入国の許可(みなし再入国許可含む。)を受けないで出国した場合には、住民票が消除された日をもって、児童手当等の受給権を消滅します。
また、外国人の児童が再入国の許可を受けないで出国した場合には、「留学その他厚生労働省令で定める理由」による場合を除き、住民票が消除された日をもって、支給要件児童ではなくならいます。
(2)再入国の許可を受けて出国している場合
外国人が再入国の許可を受けて出国した場合には、原則として、住民票がある間はいまだ「日本国内に住所を有する」ものとして取り扱います。
このため、再入国の許可を受けて出国した児童手当等の受給者である外国人が、再入国の有効期間内に再入国しなかった場合には、住民票が消除された日をもって、当該児童手当等の受給権を消滅します。
また、再入国の許可を受けて出国した外国人である児童が、再入国の有効期間内に再入国しなかった場合には、「留学その他厚生労働省令で定める理由」による場合を除き、住民票が消除された日をもって支給要件児童ではなくなります。
外国人の医療・社会保障
- 「公用」ビザ外国人の国民健康保険
- 外国人が長期出国する場合の国民健康保険と国民年金
- 外国人の退職後の健康保険
- 外国人の高額療養費制度の利用
- 外国人が国民健康保険料を滞納した場合
- 外国人の海外での医療保険適用
- 外国人の妊娠・出産・子供の在留手続
- 外国人も利用できる「産前産後の休暇・育児休業制度」
- 外国人も利用できる「入院助産制度と児童手当・乳幼児医療費助成」
- 外国人が出国している場合の「児童手当」
- オーバーステイ外国人の医療費
- 外国人の生活保護について
- 外国人の「年金加入期間が短い場合」どうする?
- 海外で日本の年金を受け取りたい
- 学生納付特例制度(留学生の国民年金加入)
- 外国人の脱退一時金と帰国時の手続(納税管理人等)
- 外国人と社会保障協定
- 外国人の離婚時の年金分割