子どもが生まれ在留資格を取得するケース

日本で外国人同士の婚姻により子が出生した場合等には、在留資格取得許可申請を行う必要があります。

目次

在留資格の取得とは

在留資格の取得とは、日本国籍の離脱や出生などの理由により、上陸手続を経ることなく日本に在留することとなった外国人が、引き続き60日以上日本に滞在する意思がある場合に必要となる手続です。

国際結婚では、就労可能な在留資格を持つ外国人同士に子が誕生した場合によく利用されます。生まれたばかりの子には当然に在留資格などはないため、「家族滞在」等の在留資格を新たに取得するための手続です。

30日以内に申請

出生した日から60日までは在留資格がなくても、日本に滞在することが認められており、60日を超えて滞在する場合には、出生の日から30日以内に在留資格取得許可申請を居住地を管轄する地方出入国在留管理局、支局、出張所等に申請を行わなければなりません。

出産後の忙しさのためについ忘れることが多い手続ですが、申請期限を超えてしまうと、その後の在留資格手続が複雑になることもあるため、忘れずに申請しなければなりません。

配偶者の1人が「日本国籍」の場合

ちなみに、配偶者の一方が日本国籍を有している場合には、原則として子は日本国籍となるため、この手続は不要です。

配偶者の1人が「定住者」の場合

子の出生に係る在留資格のパターンとして、外国人同士の婚姻で配偶者の1人が「定住者」の場合には、その実子も「定住者」となります。

配偶者の1人が「永住者」の場合

さらに、外国人同士の婚姻で配偶者の1人が「永住者」の場合には、その実子も「永住者」となりますが、これは出生から30日以内に在留資格取得許可申請を行った場合であり、何らかの理由で30日を経過すると、原則として子の在留資格は「永住者の配偶者等」とされるため注意しなければなりません。

このような状況になると、本来与えられたはずの「永住者」を取得するために、1年又は3年後にもう一度申請をしなければならなくなります。

60日を超えると、退去強制事由に該当する

そして、在留資格を取得することなく60日を超えて在留すると、退去強制事由に該当することとなります。さすがに生まれたばかりの子どもだけを退去強制にするということは考えにくいですが、その後の手続が非常に複雑になることが予想されるため、在留資格取得の場合には出生から30日という期限を厳守しなければなりません。

国際結婚で出生した子の在留資格の主なケース

配偶者1 配偶者2 ①子供
(国内で出生)
②子供
(海外で出生)
日本国籍者 外国籍者 原則、日本国籍のため手続不要 原則、日本国籍のため手続不要
永住者 永住者 永住者の配偶者等※2 定住者
永住者 永住者の配偶者等 永住者の配偶者等※2 定住者
就労ビザの外国人 家族滞在 家族滞在 家族滞在

※1 配偶者1と配偶者2は、一方が夫・他方が妻で、1が夫・2が妻ということではありません。

※2 出生から30日以内に在留資格取得申請を行った場合には、原則として「永住者」となります。

※ 上記と同様のケースであっても、申請者の状況により子に与えられる在留資格が異なるケースがあります。

在留資格取得申請に必要な資料

1.申請書1通

2.次の区分により、それぞれ定める書類1通

ア 日本の国籍を離脱した者:国籍を証する書類

イ 出生した者:出生したことを証する書類

ウ ア及びイ以外の者で在留資格の取得を必要とするもの:その事由を証する書類

※資料の提出に当たっては法務省令で定める資料以外にも提出を求める場合がある。また、法務省令で定める資料の提出を省略される場合もあり得る。