「短期滞在」から「日本人の配偶者等」への変更
(査証免除国の場合)

査証免除国の外国人配偶者は、短期滞在で日本に入国し、「在留資格認定証明書交付申請」をし、滞在中に交付された場合、「日本人の配偶者等」ビザに変更できる可能性があります。

ここでは、その手続きについてご説明します。

目次

先ず、「在留資格認定証明書交付申請」をする

日本人との国際結婚で、相手が海外在住の場合には、「日本人の配偶者等」の「在留資格認定証明書交付申請」を行うのが一般的ですが、一連の手続を行った場合には、どんなに早くても数か月の時間を要します。

その間、結婚したばかりの夫婦が離れ離れに生活することとなるため、中には日本人が帰国する際に配偶者も同伴して日本へ入国することもあります。

このケースは、配偶者が査証免除国人の場合によく見られます。

外国人配偶者は査証免除国であるため、ビザの発給を受けずに「短期滞在」の在留資格を付与されて、日本に入国することが可能です。90日の「短期滞在」が付与されれば、その間に「日本人の配偶者等」の在留資格認定証明書交付申請を日本の出入国在留管理局に申請することとなります。

本人が日本に入国しているにもかかわらず、海外から呼び寄せる手続の申請をするのは、現在の出入国在留管理局での手続上では「短期滞在」から他の在留資格への変更は原則として認めていないからです。

そのため、外国人配偶者が日本国内に滞在しているにもかかわらず、海外在住の人物を招へいするための手続である「在留資格認定証明書交付申請」を行い、申請の結果、「日本人の配偶者等」の在留資格認定証明書が交付されたら、今度はそれを添付して、「短期滞在」から「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可申請を行うこととなります。

「短期滞在」から「日本人の配偶者等」への変更は例外的措置

「短期滞在」から他の在留資格への変更ができませんが、その例外の1つがこのケースです。

つまり、短期滞在で日本に滞在中に適切な在留資格認定証明書が交付された場合には、例外的な扱いとして変更申請が受理される可能性があります。

ただし、これについては明確な規定などがあるわけではなく、あくまでも「短期滞在」からの変更は受理しないというのが原則であり、わざわざ帰国して大使館などでビザ申請を行い再度来日するという申請者に対して便宜を図るという意味合いで、例外として受理されているケースも見られます。

そのため、外国人配偶者が「短期滞在」で入国し、国内で「日本人配偶者等」への在留資格変更を希望する場合には、前もって「例外的措置であり、必ずしも受理されるとは限らない」ことを理解しましょう。

もちろん、何らかの事情で在留資格変更許可申請が受理されなかった場合には、「短期滞在」の在留期限が到来する日までに必ず日本から出国しなければならず、仮に出国しなかった場合には、不法残留となり退去強制手続の対象となります。

短期滞在中に「在留資格認定証明書交付申請」の結果が出ない場合

また、このケースでは、「短期滞在」で入国後に「日本人の配偶者等」の「在留資格認定証明書交付申請」は行ったが、短期滞在の在留期限までに審査結果が出なかった場合も考えられます。

通常、90日の「短期滞在」を所持して入国後すぐに手続を開始すれば、ほとんどのケースで90日の在留期限までには申請に対する結果が出ることとなります。

ところが、海外から取り寄せる資料があった場合や、何らかのトラブルで申請が遅れると、在留期限までに申請結果が出ないこともあります。このようなケースは外国人配偶者が日本へ入国した後に、国内で婚姻届を提出する際に多く見られ、書類の不備等で母国から独身証明書などの必要書類を取り寄せるような状況で生じやすいです。

このような場合には、当然に在留期限までに出国しなければならず、金銭的、精神的にも申請者に大きな負担がかかることになります。

そのため、国内での「日本人の配偶者等」への変更を行う場合には、事前にスケジュールを明確に定め、各種申請に対する必要書類等についても入念に調査しておきましょう。

「在留資格認定証明書」が交付されたら、「日本人の配偶者等」への変更申請

一方、日本での滞在中に「日本人の配偶者等」の在留資格認定証明書が交付された場合には、すぐに「短期滞在」からの在留資格変更申請を行うこととなります。

この場合には、在留資格変更許可申請が受理されれば、申請結果(許可・不許可)が出るまで、又は在留期間満了の日から2か月のいずれか早い日までは、現に有する在留期間満了後も引き続いて在留することができます(在留期間が30日以内の者は除かれる)。

申請の結果、「日本人の配偶者等」の在留資格へと変更されれば、そのまま日本人の配偶者として滞在することになります。

また、例外的ではありますが、在留資格認定証明書が交付されていても、在留資格変更許可申請が何らかの理由で不許可とされる場合があり、このときは指定された期日までに出国することとなります。

「短期滞在」の在留期限には要注意

国内で在留資格を変更する際に気をつけなければならないのが、「短期滞在」の在留期限です。

在留資格認定証明書交付申請は、あくまでも海外にいる者を招へいするための手続であり、原則として申請人が日本国内に「短期滞在」で滞在していることとは関係ありません。
そのため、在留資格認定証明書交付申請を行っても、短期滞在の在留期限は必ず守らなければならなりません。

一方、在留資格変更許可申請は国内にいる者が対象の手続であり、これが受理された場合には原則として審査結果が出るまで(ただし、最長2か月間)は引き続き在留することができます。よって、「短期滞在」の在留期限が経過しても問題ありません。

しかし、中には、「短期滞在」の在留期限ぎりぎりに在留資格認定証明書交付申請を行ったケースなどでは、勘違いから日本に滞在して不法滞在となるケースもしばしば見受けられます。

日本人配偶者との婚姻には何ら問題がないにも関わらず、手続上のミスから退去強制の対象となったため、その後の入国に非常に苦労する例もあります。

そのためにも、在留期限には細心の注意を払い、前もってスケジュールを明確に定めておきましょう。