永住申請要件

① 素行が善良であること(素行善良要件)

② 独立生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件)

③ 日本国の利益に合すること(国益適合要件)

日本人、永住者、特別永住者の配偶者又は子:要件③
難民認定を受けた者:要件①、②
それ以外の場合:要件①、②、③

① 素行が善良であること(素行善良要件)

法律を遵守し、日常生活においても、住民として社会的に非難されることのない生活をしていることを意味します。
具体的には以下のいずれにも該当しないことです。

a 法令に違反して、懲役、禁錮、罰金に処せられたことがある者

※懲役・禁錮については、その執行を終わり、若しくはその執行の免除を得た日から10年経過し、又は執行猶予の言渡しを受けた場合で当該執行猶予の言渡しを取り消されることなく、当該執行猶予の期間経過し、その後更に5年経過したときは該当しません。

※罰金については、その執行を終わり、又はその執行の免除を得た日から5年経過し、又は刑の執行猶予の言渡しを受けた場合で、当該執行猶予の言い渡しを取り消されることなく、当該執行の期間を経過したときは、該当しません。

b 少年法による保護処分が継続中の者

c 違法行為又は風紀を乱す繰り返す等、特段の事情がある者

軽微な交通違反であっても、繰り返し行う者。
飲酒運転、無免許運転、20キロを超えるスピー違反
窃盗(万引)の前歴が複数ある場合
資格外活動許可の範囲(週28時間)を超えて就労

② 独立生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件)

日常生活で、公共の負担にならず、職業・資産から見て、将来安定した生活が見込まれることを意味します。
この独立生計要件は、必ずしも申請人自身が具備する必要はありません。世帯単位で具備すればOKです。

就労系ビザから永住許可申請をする場合、年収が300万位に満たないと、不許可になる可能性があります。

「経営・管理」ビザから「永住者」ビザに変更する場合、経営する会社の安定性・継続性が審査されます。会社の欠損が連続している場合は、独立生計要件が満たされないと判断される可能性があります。

生活保護を受けている場合

「日本人の配偶者等」の場合

日本人の配偶者から永住者申請をする場合、生活保護を受けていたとしても、それをもって不許可とされません。

「定住者」の場合

定住者から永住者申請をする場合、生活保護を受けていると、不許可になる可能性が高いです。
生活保護を受けていないとしても、非課税の場合は、独立生計要件を満たされないと判断される可能性があります。

③ 日本国の利益に合すること(国益適合要件)

a 原則引き続き10年以上日本に在留していること

この期間のうち、就労資格又は居住資格をもって継続して5年以上在留していること。

例:
留学5年+就労資格5年=10年

引き続き在留するとは

引き続きとは、在留資格がと切れることなく、在留を続けることを言います。
再入国許可(みなし再入国含む)を得て、一時的に海外に滞在することは問題ありません。
しかし、再入国許可を得ないで出国したり、海外滞在中に再入国の期限が過ぎると、在留資格が消滅し、引き続き在留することになりません。

長期間海外に滞在する場合

再入国許可を得て出国し、例えば、3年の在留期間の半分以上を、出張等で海外で生活した場合は、合理的な理由がない限り、永住は許可されない可能性があります。

このような場合、単に年間の出国日数の合計で、不許可にすることではありません。
長期出国の理由、過去の出国期間、家族状況(子の日本での通学状況等)、資産状況(日本に持ち家の有無等)、今後の生活や活動の計画等から、総合的に判断されます。

海外出張等から日本に戻って来て、6か月後に永住申請すると、許可される可能性が高いです。

永住申請中に転職した場合

永住申請中に転職した場合、転職後の業務について、「就労資格証明書」を取得する必要があります。

b 納税等公的義務履行を含め、法令を遵守していること。

公的義務を履行しない例

納税申告はしたものの、一部しか納付していない。
健康保険料を支払っていない。

※ 申請人が被扶養者である場合、扶養者が公的義務を履行していることが必要です。

c 最長の在留期間をもっていること

当面は3年の在留期間をもっていることが必要です。

d 公衆衛生上の観点から、有害でないこと。

規定の感染症患者、覚醒剤等の慢性中毒者ではないことを言います。

e 著しく公害を害する行為をしないこと

上記①と同じ内容で、現在・過去の状況から総合的に判断されます。

ⓐ 法令に違反して、懲役、禁錮、罰金に処せられたことがある者

※懲役・禁錮については、その執行を終わり、若しくはその執行の免除を得た日から10年経過し、又は執行猶予の言渡しを受けた場合で当該執行猶予の言渡しを取り消されることなく、当該執行猶予の期間経過し、その後更に5年経過したときは該当しません。

※罰金については、その執行を終わり、又はその執行の免除を得た日から5年経過し、又は刑の執行猶予の言渡しを受けた場合で、当該執行猶予の言い渡しを取り消されることなく、当該執行の期間を経過したときは、該当しません。

ⓑ 少年法による保護処分が継続中の者

ⓒ 違法行為又は風紀を乱す繰り返す等、特段の事情がある者

f  在留特別許可又は上陸特別許可を受けた者については、次のいずれかに該当することが必要です。

ⓐ 再入国許可期限の失念等により上陸特別許可を受けた日から引き続き1年以上在留していること。

※上陸特別許可を受ける以前の適法に在留した期間は、上記aの「引き続き在留している期間」に含まれます。

ⓑ 在留期限の失念等により、不法在留し、在留特別許可を受けた日から引き続き1年以上在留していること。

※在留特別許可を受ける以前の適法に在留した期間は、上記aの「引き続き在留している期間」に含まれます。

ⓒ ⓐ又はⓑ 以外の在留特別許可、上陸特別許可を受けた日から、引き続き3年以上在留していること。

※当該在留特別許可又は上陸特別許可を受ける以前の適法に在留した期間は、上記aの「引き続き在留している期間」に含まれません。

g 原則、公共の負担となっていないことが必要です。

日本人、永住者、又は特別永住者の配偶者又は子の場合

日本人、永住者、又は特別永住者の配偶者又は子の場合は、公共の負担となっていたとしても、独立生計要件を満たさないと判断しません。
公共の負担になっていることに合理的な理由があるときは、その理由を考慮した上で国益適合要件を満たすか判断します。