ここでは、日本国内で外国人同士が離婚する場合の法律についてご説明します。

Q.日本で外国人同士が離婚する場合、どの国の法律が適用される?

私たちは日本に住んで8年が経過する外国籍の夫婦ですが、離婚をすることを決めました。
私たちのように日本に住んでいる外国人夫婦はどの国の法律を基準に考えればよいのでしょうか?

A.

国際結婚をした夫婦が離婚する場合の離婚の準拠法は、以下のとおりです。

①夫婦の本国法が同じ時にはその本国法

②夫婦の本国法が違う時で、夫婦の常居所のある場所が同じであればその国や州の法律

③本国法も常居所も違う場合には、夫婦に最も密接に関係する地の法律

夫婦の本国法が同じ場合

夫婦の本国法が同じ時にはその本国法により離婚をすることとなります。

そのため、本国で協議離婚などが認められていない場合には、日本の法律では協議離婚が認められていても、離婚することはできず、日本の裁判所などで調停や裁判を行い離婚することとなります。

ただし、これは韓国や日本のように国内のどこにいても適用される法律が同じ場合、つまり、夫婦の国籍が同じで、適用される本国法も同じ場合にだけ適用されます。

一方、アメリカのように住んでいる州により適用される法律が違う国の場合には、夫婦が同一の州の出身である場合に適用されます。

適用される法律が違う場合

もちろん、異なる州の出身者同士が結婚している場合には、同じアメリカ国籍者であっても適用される州法が違うため、原則として他方の州法により離婚することはできません。
この場合には、夫婦の常居所がある日本の国の法律により離婚することができます。

日本で行った離婚が本国で認められるかどうか?

ただし、日本で行った離婚がアメリカでも認められるかについては、原則として渉外離婚判決の承認に関して、国際的に定める法律などがないため、最終的には相手国の法律等により判断されることになります。

例えば、協議離婚を認めない国が、日本でなされた協議離婚を認めるかどうかなどの問題が生じることもあり、日本では有効な離婚であっても、相手国では無効とされ離婚が取り消されることもあります。

そのような場合には、相手国の法律に則して再び離婚手続や裁判などを行うケースが多くみられます。

そのため、日本での離婚手続を行う前に、本国の州法を確認し、どのような離婚方法であれば外国での離婚が認められるのかを事前に確認しておいた方が良いでしょう。