飲食店等で外国人を採用するケース
ここでは、飲食店等で外国人を採用する場合の事例をご紹介します。
目次
事例 飲食店で外国人を採用
京都で焼き肉チェーン店を7店舗展開する会社で、外国人顧客の販売促進を強化するため、外国人留学生を採用しました。
申請のポイント
まず大前提として、飲食店でいわゆる「店員」としてのビザは取得できません。
店員として働いてよいのは、永住者ビザ、定住者ビザ、日本人の配偶者ビザ、留学ビザ、家族滞在ビザなどのビザを持つ外国人となります。
なお、留学ビザと家族滞在ビザについては、1週間に28時間以内までの勤務という制限があります。
また、外国料理店の調理師として雇用する場合、母国で調理の実務経験が10年以上あれば、「技能」ビザを取得できます。
飲食店で就労ビザが取れる職種
飲食店でも就労ビザを取得することができるケースがあります。この場合、職務内容が非常に重要です。
例えば、外国人客が非常に多く(明確な根拠を説明できる)、日常的に通訳・翻訳の必要性がある店舗の場合、就労ビザが許可される可能性があります。
この事例の場合、京都という土地柄、毎日外国人客が訪れます。この会社では、英語、中国語、韓国語の3カ国語のホームページを運営しており、毎日10件以上、海外から問い合わせが入ります。
従って、今回採用する留学生には、多言語サイトの更新、翻訳、外国人客向けキャンペーンの企画運営、メニューの作成などを担当してもらいます。
上記内容を職務内容説明書に詳しく記載する必要があります。
この会社では、インバウンド施策に関する経済産業省の助成金も受給しています。同社のインバウンド計画が助成金の審査でも認められたいうい点が就労ビザ審査でも有利に働きました。
外国人向けの販売促進以外の業務で就労ビザ
外国人向けの販売促進以外の業務で就労ビザを取得できる場合もあります。
例えば、複数の店舗がある場合、マネージャーやスーパーバイザーとしての就労ビザを申請することができます。
店舗運営以外に、食材の販売やネット販売などを行っている場合も、就労ビザを取得できる可能性があります。
飲食店の場合、全く同じ職種で複数名採用したのに、就労ビザを許可される人と、許可されない人がいます。ほとんどの場合、本人側に原因はなく、申請書類の完成度や書き方に原因があります。
どのような添付書類をつけるかによっても、結果が異なります。
同じ職種であっても、本人の年齢や学歴、経歴によっては、提出すべき添付書類が異なることがよくあります。
飲食事業がメインの会社で就労ビザを取得する際の審査ポイント
①事務所
飲食事業がメインの会社で、就労ビザを取得できている会社は、以下の条件を満たしている会社が多いです。
・事務所を法人契約している
・事務所の賃貸契約書には、「事務所使用可」「事務所として賃借」の文言あり
・机、PCが複数台あり、実際に稼働していることが見て取れる(仮設ではない)
・固定電話がある
・ネット回線が完備している
つまり、通常の事務所であれば当然備えている要素を備えているかどうかを審査されます。
②業務内容・業務水準・業務量
「店舗勤務ではない」という絶対的な説明と根拠、証拠を求められます。
数年前までは、職務内容についてのきちんとした説明があれば、許可していました。
しかし、この数年で就労ビザを持って飲食店で働いている外国人、しかも店舗業務しかしていない外国人が多数みられるようになってきました。
このため、飲食店での就労ビザ審査については、実態を厳しく見るようにしています。
通常、ビザ審査は複数の審査官が関与します。誰が見ても、「この外国人は、店舗勤務ではない」という安心材料が必要です。店舗勤務の疑念があるのに、許可してしまったら、当該審査官の責任問題となるため、絶対的な根拠と証拠がないと、なかなか許可になりません。
職務内容が簡単すぎる場合
また、担当する職務内容が簡単すぎる場合、単純作業と判断され、就労ビザも許可されません。
たとえ本社スタッフとしての採用であっても、単純な入力作業、連絡業務などは、単純労働扱いになります。
業務量
それから、業務量も審査されます。
目安として、週の業務量が40時間相当以上になる明確な証拠を集める必要があります。
上記のいずれも単なる説明だけでは不十分です。説明だけで証拠がなければ、実現性、信憑性が低いと判断されます。
「技術・人文知識・国際業務」ビザの申請事例
- 事例-就労ビザの許可・不許可事例(専門学校卒業)
- 事例-会社が事業に必要な営業許認可を取得していない
- 事例-過去の申請との整合性が合わない
- 事例-提出書類に疑義があると判断されたケース
- 事例-職務経歴の偽装があると判断されたケース
- 事例-上場企業でもビザ変更が不許可となったケース
- 事例-一流大学を卒業したが、就労ビザが不許可
- 事例-労働基準法違反により就労ビザが不許可
- 事例-日本語を独学して、通訳・翻訳で就労ビザを取得
- 事例-会社の看板の写真に疑義があって、就労ビザ申請が不許可
- 事例-個人事業主が外国人を雇用したケース
- 事例-日本側で許可になるが、現地大使館でビザ発給拒否
- 事例-文系学部出身の外国人をSEとして採用
- 事例-個人事業主が外国人を採用する
- 事例-インターナショナルプリスクール、バイリンガル保育園で外国人を採用
- 事例-ホテル、温泉旅館等で外国人を採用する
- 事例-飲食店等で外国人を採用
- 事例-「技術・人文知識・国際業務」ビザの職務内容と証拠資料
- 事例-建設会社で外国人を採用する
- 事例-海外の通信制大学や放送大学を卒業している外国人
- 事例-海外の短期大学や3年制大学を卒業している外国人
- 事例-ワーキングホリデーの外国人を採用する
- 事例-社団法人、NPO法人等で外国人を採用する
- 事例-入社後数か月間、現場実習をさせたい場合
- 事例-設立したばかりの会社で外国人を採用
- 事例-設立準備中の会社で外国人を採用
技術・人文知識・国際業務
- 技術・人文知識・国際業務
- 「技術・人文知識・国際業務」ビザとは
- 「人文知識・国際業務」の二つのカテゴリー
- 「人文知識・国際業務」の就労分野
- 「本邦の公私の機関」とは
- 「人文科学の分野に属する知識を必要とする業務」とは
- 「人文知識・国際業務」と「経営・管理」との関係
- 「人文知識・国際業務」と「興行」との関係
- 「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務」とは
- 外国人がホテル・旅館に勤務する場合
- 雇用契約等
- 機関の事業の適正性、安定性、継続性
- 「人文知識・国際業務」の要件-在留資格該当性
- 「人文知識・国際業務」の上陸許可基準
- 「人文知識・国際業務」の学歴要件・実務要件
- 「特定活動」ビザ-留学生の卒業後の就職活動
- 「技術」類型の在留資格該当性
- 「技術」類型の上陸許可基準
- 「技術」類型の典型的事例
- 就労ビザの許可・不許可事例(専門学校卒業)
- 「技術・人文知識・国際業務」ビザの要件、注意点、必要書類